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SDGsを活用した「発信型三方良し」ビジネスを探る


自治体や企業も。広がる“SDGs 仲間”


セイコーエプソンの統合報告書を見ると、ペーバーラボは、同社のSDGsの各目標と紐づけて説明されている。経済、環境、社会の統合的解決策として、それぞれの側面のSDGsに当てはめて、以下のように整理されている。

・経済:目標9 「インフラ、産業化、イノベーション」
・環境:目標12「持続可能な生産と消費」、目標6 「水・衛生」、目標15「陸上資源」
・社会:目標11「持続可能な都市」、目標8 「経済成長と雇用」

筆者としては、これらに情報セキュリティ向上の点で、目標16「平和・公正」を加えることができると考える。1つの製品や技術が、さまざまなSDGs目標と関連していることを如実に示す事例だ。

ペーパーラボは、自治体や企業で導入が進んでいる。導入先を見ると、SDGs 未来都市に指定されている自治体や、SDGs経営推進企業がずらりと並び、「SDGs 仲間」がどんどん広がっていることがわかる。

行政関係者にも訴求力を高めた結果として、2019年6月に軽井沢で実施されたG20エネルギー・環境大臣会合の会場でも展示、使用された。また、外務省が製作した動画「日本発!ペーパー革命」でも紹介されるなど、大きな注目を集めている。同社としては、今後、海外への展開も進めているそうだ。

SDGs経営を支えるマトリックス


セイコーエプソンは、ペーパーラボの開発など事業活動を通じた環境貢献の取り組みによって、企業としても多くの国際的な評価を受けるようになった。

例えば、国際的な環境非営利団体CDPの企業調査では、「気候変動」と「水セキュリティ」でAリスト企業として選定。フランスのEcoVadisによるサステナビリティ評価では、2年連続最高位のプラチナ格付けとなっている。

では、同社が国際的評価を受ける推進力ともなった「SDGs経営」についても紹介しよう。

まず、2018年に日本で初めてSDGsの169のターゲットレベルまで明記した「ESG /SDGsマトリックス」を作成した点は、評価に値する。

その後もマトリックスは毎年更新され、2021年度は新たな長期ビジョン「Epson 25 Renewed」に基づいて再設定された「サステナビリティ重要テーマ」が用いられて作成された。

筆者も複数回にわたり、同社の経営層や幹部の研修などの場で、マトリックス作成と活用について意見交換した。その後もサステナビリティ推進室のメンバーとコミュニケーションを図る機会があったが、年々SDGsの理解の深まりを感じる。

文=笹谷秀光

セイコーエプソンサステナブル
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