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CDOが夢見る持続可能な地球社会


宇宙を開拓しながら、地上の生活も豊かにする


せりか:とはいえ、政府主導の宇宙開発には多額の税金が使われています。民間主導の宇宙開発……いわゆるニュースペースと呼ばれる企業にも、政府が実証実験の機会を提供したり、補助金という形で税金が使われたりするケースがあります。夢や憧れだけではなく、宇宙開発の成果をきちんと発信していくことは大事なことですよね。

:せりかさんがISSでALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療薬を開発するために実施した実験は代表的な事例だと思います。


(c) 小山宙哉/講談社

一方、あまり知られていないけれども、実は宇宙開発や宇宙探査から技術がスピンオフして、私たちの日常に役立っているものも多くあります。GPSはまさにそうですよね。カーナビや地図アプリの恩恵は誰もが受けているでしょう。

それだけではありません。NASAの研究を応用して、強度が高いアルミ缶を開発したり、ISSに設置されているカメラのアイデアが活かされてカプセル型の内視鏡が生まれたりしたケースがあります。宇宙空間という厳しい環境下を想定して開発した技術や製品を地上で使うと、一般的なものと比べて自ずと質が高くなるんです。

多くの宇宙開発のプログラムは、地上での生活にメリットを還元できるように設計されているように思います。

せりか:そうですね! ところで、ワープスペースは人工衛星の事業者向けに光通信を使った通信インフラサービスを構想しています。これは地上の生活にどう貢献していけそうですか。

:宇宙開発において、宇宙と地上の通信インフラはなくてはならないものです。光通信が普及すれば、衛星が撮影した画像を地上でダウンロードするのが効率化されますし、ISSでの科学実験や有人月面着陸を予定しているアルテミス計画、深宇宙探査にも貢献できるでしょう。

せりか:宇宙開発や利用、探査を広く支えられるということですね!

:おっしゃる通りです。光通信を切り口に、宇宙開発やその先にある地上の生活への還元に寄与していきます。

せりか:第一回の常間地さんとの対談でもあったように、光通信が普及し、衛星による観測の頻度が増えれば農業や災害対応も変わっていきますよね。今回は宇宙開発やそれを支えるインフラサービスのポテンシャルの高さを知れました。ありがとうございました!


せりか宇宙飛行士と宇宙ベンチャー・ワープスペースの森、立場の違うふたりが宇宙開発の意義を議論しました。宇宙開発や探査がきっかけとなり生まれた技術が私たちの日々の生活に役立てられていることを感じていただけたのではないでしょうか。

2月に公開予定のシリーズ第4弾は、サステイナブルなものづくりをテーマに、伊東せりか宇宙飛行士とゲストが対談します。お楽しみに。

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