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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

Brendan Hoffman/Getty Images

バラク・オバマ元大統領を支え、マフィアが牛耳っていたラスベガスのカジノ街を世界に冠たるリゾート地に変えた立役者、ハリー・リード元上院議員が12月28日(以下現地時間)に死去した。

ラスベガス最大の空港の名前が、12月14日にマッカラン国際空港からハリー・リード国際空港へと変更になったばかりだったが、肝心のリード元上院議員がその2週間後にすい臓がんで亡くなってしまった。82歳だった。

オバマ政権誕生に早くから尽力


アメリカに上院議員は100人もいるので、一般のアメリカ人にとっては、自分の州の議員でもなければ名前も知らないことがほとんどだが、ハリー・リード元上院議員はアメリカ全土によく名前が知られた議員だった。

父親は炭鉱夫で、母親は洗濯婦。トラックドライバーのレストエリアが主要産業である生まれ故郷の過疎地には高校もなかった。両親はそろってアルコール中毒で、水道もない極貧の生活を送っていたが、寄宿して通った高校ではアマチュアのボクサーとして活躍した。

この高校のボクシング部の顧問が、後にネバダ州知事になるマイク・オキャラハン氏だったことから、法律と政治に興味を持つようになる。

その後、警察官、検事、ネバダ州議会の議員、そして1982年には連邦下院委員となり、1986年に上院議員になってからは、引退する2017年まで連続して議員生活を続けてきた。ジョージ・ブッシュ(子)政権の間は民主党の事実上のトップとして活躍し、早くからオバマ政権誕生にも尽力した。

ネバダ選出の上院議員としては、歴史上最も長い間、上院議員を務めた。長年、民主党の議員仲間であったジョー・バイデン大統領との親交も深く、1月8日にラスベガスで行われた葬儀では、オバマ元大統領とともにバイデン大統領も出席。それぞれが弔辞を読み、目に涙を浮かべた。

地元ラスベガスでは、リード元上院議員が結婚と同時に信心深いモルモン教徒になったことはよく知られおり、酒もタバコも嗜まず、スキャンダルにも無縁と言っていいほどの「クリーン」な政治家だった。

また、マフィアが牛耳っていたカジノの黒歴史に幕を引き、厳しいコンプライアンスによって洗練されたリゾートカジノビジネスを実現した功労者の1人としても知られる。

ラスベガスを舞台にした「カジノ」(マーティン・スコセッシ監督)という映画に、リード元上院議員をモデルにした人物が出てくる。ロバート・デ・ニーロ演じるサム・ロススティーン(通称エース)というマフィアのボスに、カジノ経営に必要な許可証の発給を迫られるゲーミング委員会の会長がそれだ。

文=長野慶太

カジノバラク・オバマ
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