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ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座

1923年創業の中央葡萄酒・グレイスワインの5代目、三澤彩奈さん。仏ボルドーや南アフリカに留学し、世界各地でワイン造りを学んだ。2004年から家族経営のワイナリーに参画。

「これまで、“甲州”の可能性を十分追求してきました。これからは産地の特性をワインに表現することも大切にしていきたいです」

中央葡萄酒・グレイスワインの5代目であり栽培醸造家の三澤彩奈さんの言葉だ。

甲州は、南コーカサスを起源とし、シルクロードを経て、約1300年前に日本に到達したとされる白ブドウ品種。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)への登録や、ロンドンでの「Koshu of Japan」の活動などにより、日本を代表するブドウとして国際的に認知度が高まってきている。

甲州の先駆者でありトップ生産者が、中央葡萄酒だ。そのフラグシップである「キュヴェ三澤明野甲州」は、世界屈指のワインコンクールである、イギリスの「デカンタ・ワールド・ワイン・アワード」で日本ワインとして初めて金賞を受賞するなど、世界的な評価を得ている。

三澤彩奈さんは、父である茂計さんとともに、甲州を海外に広めることに尽力してきた。実際、中央葡萄酒のワインは海外での人気も高く、その甲州ワインのおよそ3分の1は海外に輸出されている。


甲州ブドウ

中央葡萄酒が屈指の造り手である理由の一つが、常識や慣習にとらわれない姿勢と着眼点で甲州の可能性を追求し続けていることだ。

2021年11月には、旧「キュヴェ三澤明野甲州」を「三澤甲州2020」と名称を改め、新しくリリース。同時期に、東京・東麻布のレストランローブでこのワインのお披露会として、シェフの今橋英明氏とパティシエールの平瀬祥子氏が考案したメニューに、ソムリエの石田博氏がペアリングを担当するという特別な会が催された。

今回は、新しい時代の幕開けとなるであろう新作の甲州ワインを紹介したい。


東京東麻布のレストランローブで開催されたお披露目会で供された中央葡萄酒のワイン

「三澤甲州2020」が表現するもの


三澤甲州は、山梨県明野町にある自社管理の三澤農場で育てられた甲州ブドウから造られる。明野は三澤茂計さんが目を付けた土地だが、決め手となったのは、日本一の日照時間の長さと、約700メートルという標高の高さだ。

甲州ブドウには糖度が上がりにくい性質があり、それゆえ甲州ワインは、アルコールが低い軽めのボディで、繊細さが特徴となるものが多かった。しかし明野の環境では、雨が少ないためブドウの収穫時に糖度が上昇するまで待つことができ、標高が高いため、ブドウには酸が保たれる。

文=島悠里、写真=島悠里、ワイナリー提供

ワイン
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