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オトコが語る美容の世界

資生堂の企業広告「美しさとは、人のしあわせを願うこと。」(資生堂)

新聞が廃れてきたといっても、お正月の新聞全面広告は、大手企業にとって大事な広告戦略の一つなのだろう。

2022年は、伊藤忠や三井物産と並んで、美容のトップである資生堂の広告が掲載されていた。しかも背景は宇宙だ。美容業界に籍をおくものとしては、業界トップが大胆にも科学と流行の最先端の宇宙を活用し、紅白の室内から青い地球を、しかも地球を上に向かって眺める構図の広告には、新しい美容の可能性を感じてしまう。

登場している女性は宇宙服とは対極の軽やかな衣装で、「美しさとは人のしあわせを願うこと」という文体で、全体がまとめられている。秀逸なコピーが、ちょっと地球や宇宙と遠そうなのが残念ではあるが、素直に感動できるお正月らしいめでたい広告だ。宇宙時代と単純に思う読者にも、女性にも、未来を考える人にも、「美しさ」を定義づけできたのではないだろうか。

宇宙開発と並ぶ経済界の話題といえば、電気自動車(EV)だ。環境を考えたエネルギー開発、そして携わる関係会社や労働人口の多さからも、近未来の一大産業として注目を欠かない。自動運転も関連しているので、IT業界からも関心が高い。長距離の運転は疲れるし、特に年を取ると夕方や夜は見通しも悪い。クリーンで、安全に、楽な移動を求め、自動運転が待ち望まれている。

アルミの争奪戦が美容に影響?


さて、そんな宇宙やEVの話が美容業界にも影響してくるのが、経済の面白さ、社会の複雑さかもしれない。宇宙でお化粧しようとか、EVのCMに美人を使おうとか、そういう単純な話ではないことが水面下で進んでいる。一つはアルミニウムの話だ。

自動車の燃費、エネルギー消費を考えれば、車体の軽量化が必須で、アルミがなくてはEVは成り立たないということになる。EV電池もアルミが必須のアイテムである。また、宇宙でもアルミは万能だ。宇宙船で空に運んでいくものは重量に比例して経費が嵩むので、鉄よりもアルミがいい。ロケットの固形燃料にも粉末のアルミニウムが大量に使われている。

日本では機械や建材の工業用途がほとんどだが、美容関連でもアルミ缶、アルミケースは人気で、さらに脱プラの流れからプラスチックをアルミに変える商品も増えている。日本は中国やロシアから購入しているが、世界で争奪戦になっていることから、日本国内のリサイクルアルミの人気も沸騰中だ。美容業界のニーズは残念ながら優先順位が低いので、アルミケース調達は各メーカー資材部の腕の見せ所となってきていると思う。

文=朝吹大

資生堂宇宙EV
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