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クロエ・ジャオ監督(Chris Pizzello-Pool/Getty Images)

ヒット映画における女性監督の割合が、2020年に過去最高となった後、21年には減少に転じたことが、米サンディエゴ州立大学が発表した「Celluloid Ceiling Report(セルロイドの天井報告書)」により明らかになった。これは世の女性監督にとって嘆かわしいことだが、それだけでなく、裏方で重要な役割に就く女性や作中の女性登場人物の数にも影響を与えている。

報告書によると、21年に興行収入が高かった映画100作でメガホンを取った監督の女性比率は12%で、20年の16%から低下。上位250作の間でも、18%から17%へと後退した。

しかし、映画監督業は常に男性のものだったわけではない。書籍『Early Women Directors(初期の女性監督)』を執筆したアンソニー・スライドによると、無声映画時代は女性の監督が多く、1920年までには「映画史のどの時代よりも多い」30人以上の女性監督がいて、女性監督は男性監督に劣らないと考えられていた。1920年に出版された書籍『Careers for Women(女性のためのキャリア)』では、女性の現実的なキャリアの選択肢として映画監督が紹介されていたのだという。しかし1933年の改訂版では、この記述はなくなった。

では、女性監督が現在これほど少ないのはなぜだろう? サンディエゴ州立大学テレビ・映画女性研究センターでエグゼクティブディレクターを務めるマーサ・ローゼンは、考えられる理由は2つのみだと述べている。一つは、女性が監督業に関心を持っていない(あるいは映画製作会社が求めるような作品を監督したくない)こと。もう一つは、女性監督の採用に対する差別が存在することだ。ローゼンは、多数の人の体験談を踏まえ、原因は差別にあるようだと結論づけている。

女性監督の作品は、男性とは異なる基準で評価されているとみられる。例えば、女性監督の作品は、評価される確率が低い。リナ・ウェルトミューラーがアカデミー賞史上で女性初の監督賞ノミネートを果たしたのは1977年だが、実際に女性が初めて同賞を受賞したのはその約30年後の2010年、『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグローだった。21年には、クロエ・ジャオが『ノマドランド』で同賞を受賞した2人目の女性となった。

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この3人を含め、これまで監督賞にノミネートされた女性は7人のみ。つまり、アカデミー賞の歴史の中で監督賞候補となった311人のうち、女性はわずか2.2%だ。

編集=遠藤宗生

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