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濱口竜介監督(写真=Hinata Ishizawa)

濱口竜介監督の映画「ドライブ・マイ・カー」が、アメリカで快進撃を続けている。

昨年12月、日本映画としては初のニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞を受賞したのを皮切りに、立て続けにボストン、ロサンゼルスと全米の主要な映画批評家協会賞でも作品賞を受賞した。

年が明けてからは、第56回全米映画批評家協会賞で作品賞、監督賞、脚本賞を受賞。アカデミー賞の前哨戦とも言われる第79回ゴールデン・グローブ賞でも、非英語映画賞(旧外国語映画賞)に輝いた。日本映画としては市川崑監督の「鍵」以来、62年ぶりのことだ。

さらに、2月8日(現地時間)にノミネート作品が発表される第94回アカデミー賞でも、国際長編映画賞部門の対象作になっている。一昨年の「パラサイト 半地下の家族」(ポン・ジュノ監督)の作品賞、監督賞受賞以来アジア作品にも注目が集まるなか、ノミネートが叶えば本賞受賞も夢ではないところまできている。

【関連特集】アカデミー賞 2022

濱口竜介監督とはどのような人物なのか。過去の関連記事からその歩みを紹介する。

「寝ても覚めても」で初めての商業映画に挑戦


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(c)2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINEMAS

学生時代から自主制作映画を撮り始めていた濱口監督。東京大学では映画研究会に属し、その後、東京芸術大学大学院の映像研究科に入学して、インディペンデントな作品を発表してきた。

海外の映画祭では、上映時間5時間17分にも及ぶ「ハッピーアワー」(2015年)などで高い評価を得ていたが、初めて商業映画に挑戦したのが2018年の「寝ても覚めても」だ。原作は柴崎友香の小説で、「万引き家族」(是枝裕和監督)とともに第71回カンヌ国際映画祭でも高い評価を得た。

>>もうひとつのカンヌ作品「寝ても覚めても」が照らす邦画の未来

黒沢清監督と師弟タッグ。「スパイの妻」で銀獅子賞


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(c)2020 NHK, NEP, Incline, C&I

濱口監督は、東京芸術大学大学院の映像研究科で、黒澤明監督と並んでもう1人の「世界のクロサワ」とも言われる黒沢清監督に師事していた。その関係もあり、黒沢監督の「スパイの妻」(2020年)の脚本に、同じく同大学院出身の野原位ともに参加。

濱口と野原に“教授”である黒沢監督が加わり、強力な師弟タッグが誕生。脚本は練りに練られて興味深いものとなり、「スパイの妻」は、世界三大映画祭の1つである第77回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。

>>黒沢清監督の「スパイの妻」がベネチア銀獅子賞に。強力な「師弟タッグ」で実現

文=Forbes JAPAN編集部

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