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──お二人のホームページには、ソファの他にも手掛けているアイテムが掲載されています。例えば、コーヒーフィルター「Kinome Ceramic Coffee Filter」。鉢植えにお水を注ぐようなデザインになっていて、可愛らしさの中に面白さがあるデザインですね。

「Kinome Ceramic Coffee Filter」h concept design competition 2020 優秀賞を受賞した作品。芽に水をあげるように淹れるデザインで、コーヒータイムが癒しの時間に(wah-design)
h concept design competition 2020 優秀賞を受賞した「Kinome Ceramic Coffee Filter」。芽に水をあげるように淹れるデザインで、コーヒータイムが癒しの時間に(写真提供:wah-design)

八田:
「Kinome Ceramic Coffee Filter」は、“一目惚れ”というテーマでの公募で応募したものが選ばれて、商品化されました。穴がたくさん空いた多孔質という素材で出来ていて、隙間からコーヒーがポタポタと落ちるようになっています。

僕たちはコーヒー党ではなかったのでそういう人でも楽しめる、お湯を注いでいるときに何か楽しさを作ろうと。ちょっと視点を変えた提案をしています。

脇坂:紙のフィルターがいらないのでエコにもなるし、葉っぱ部分(​栓)に目盛りがデザインされているので、コーヒーが美味しく飲める分量がわかる。見た目がかわいいだけでなく、ユーザーが「ちょっと嬉しくなる」ようなアイデアを盛り込んでいます。

──その「ちょっとした喜び」というのが、お二人のデザインの核になりそうですね。使いやすさというのももちろん大事ですが、そういったさりげない幸せを見出せるデザインは、これからのUDのあり方にも繋がりそうな気がします!

八田:デザインのアプローチはいろいろあると思いますが、僕たちが目指しているのは、新しい選択肢を作ること。他とはちょっと違った目線で、生活の中に豊かさや楽しさを付加していく。まあ、結果的になんですが(笑)。

脇坂:革新的に便利なものではないかもしれないけれど、使ったらちょっと幸せになれるモノ作りや今までできていなかったものを見つける、というのが僕らの仕事なのかなと思います。

デザインユニット「wah」の脇坂 政高氏と八田 興氏

お二人の話を聞いて印象的だったのは、「デザイナーの独りよがりにならないように」というコメントだ。世界的な賞を受賞した作品、などと聞くと、さぞかしデザイナー自身のこだわりが詰まったものなのだろうと想像しがちだが、「Band Sofa」はあくまでユーザーの視点でデザインされている。

しかも、これまでなかなか拾われることのなかった障がいのあるアスリートたちの視点だ。それはこれまで気づくことが出来なかった新たな視点であり、二人のデザイナーのクリエイティビティを存分に刺激した。

多様性を取り入れていくことで、こういったシナジーはますます増えていくだろう。たくさんの可能性を秘めているユニバーサルデザインの発展に今後も大いに期待したい。


wah◎脇坂政高、八田 興により2018年に結成されたデザインユニット。デザインを通じて、人や社会にちょっとした喜びを与えられることを目指し、プロダクトをはじめ、家具・グラフィック・空間デザイン・ブランディングなど、カテゴリーに捉われないデザイン活動を展開。現在はメーカーのプロダクトデザイナーとしても活動している。

文=中沢 純(パラサポWEB) 写真=佐々木 健

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