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Forbes JAPAN Web編集部


実はナイルは生粋のデジタルマーケティング企業だ。オウンドメディアの立ち上げや運用支援、スマートフォン向けのアプリ紹介サービスなどで事業を拡大してきた。アプリ紹介の月間利用者は1000万人にのぼる。

その知見を生かして徹底的に取り組んだのが、SEO(検索エンジン最適化)だった。例えば「カーリース」や「車 リース」と検索した際にはカルモのサイトが上位に表示されるようにし、またニュース欄には自社で制作し定期的に更新している記事がいくつも表れるようにしている。

「カーリースの情報を検索した時に、よく見かけるサイトにすることで、サービスへの安心感につながると考えました。検索エンジンでの情報露出を増やすためのコンテンツづくりや内容の刷新にはかなりの投資をしています。これらの施策を継続して繰り返すことで、徐々にお申し込みの数が拡大し、審査通過率も上がり続けています」

カルモの成長要因について高橋は「顧客のニーズを突いていること」だと明快に答える。一見、当然のことのようだが、ナイルが注力するのは、慣れを起こすことなく、常にフラットな目で顧客を捉えることだという。

「社内のマーケティングチームで毎月ユーザーインタビューを実施しています。月に数人ですが、一人60〜90分話を伺っています。どのような理由で当社の商品をお申し込みいただいたのか。ヒアリングした内容はすべて議事録化し、社内で共有しています。

ナイル高橋CEO
撮影=藤井さおり

事業をスタートさせた人たちというのは、しばらく経つと予測を始めてしまう。顧客像や契約の動機、自社のサービスが売れている理由を無意識に『つくる』ようになる。しかし、予測とお客さまのマインドは得てして乖離していくことが多い。だから常にその2つの答え合わせをし続けないといけないんです。

お客さまのナマの声に触れて、われわれの予測との乖離を知ることで、時代の変化やお客さまの考えをキャッチアップでき、マーケティングの地力が強化されていくのではないでしょうか」

ナイルでは、インタビューに加え、定期的なアンケートも実施。すべてのユーザーに「次回もカルモで車をまたリースしたいか」と尋ね、NPS(家族や知人にサービスを勧める可能性を10点満点で点数化したもの)も集計しているという。

それらのアンケートを基に、例えば「次回も購入を希望していて、NPSも8点以上」「継続利用を希望しているが、NPSは8点未満」など顧客を4象限に分類。それぞれの比率を割り出している。

「次回もカルモで、と考えるお客さまが多ければマーケティングコストは著しく下がるわけです。ですから、NPSの点数が高い層にユーザーさんが移動していくようなサービスを、カスタマーサクセスで打っていきます」

高橋は、組織のあり方にもこだわりを持つ。

「サポートセンターに問い合わせたが、マニュアルに沿った回答をされ、もどかしい思いをしたという経験がある方って結構いると思うんです。私たちのお客さまにはそういう不快な思いをおかけしないよう、カスタマーサクセスが一定の権限を持てるようにしています。雇用形態にこだわらず、顧客に対して柔軟に決定を下せる状態が良い組織です。まだ手探りですが、意思決定が分散している組織づくりを意識しています」

文=露原直人 写真=藤井さおり

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