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「Disney+」が示す新たな道


チョイがディズニー・ジャパンの社長に就任したのは、2020年3月のこと。日本への赴任が決まってすぐに、韓国から飛行機に飛び乗った。コロナ禍で日本への入国が難しくなるという見通しからだった。赴任してすぐにコロナ禍が本格化したため、チームづくりには困難が伴ったという。

アジアで初めての導入となる日本における「Disney+」のサービス開発も、2020年6月の配信開始まで、チームメンバーは一度もリアルで会うことなく、すべてオンライン上のやりとりで進められた。

2019年11月にアメリカでスタートした「Disney+」は、全世界に1億1810万人のユーザーを持つ。アジア、欧州と導入国を増やし、現在は世界60カ国以上で展開。2021年10月にはディズニー以外の作品やオリジナルコンテンツも楽しめる新ブランド「スター」が追加された。

「スター」により、従来のディズニー、マーベル、スター・ウォーズ、ピクサー、ナショナル ジオグラフィックの5ブランドに加えて、ディズニー・テレビジョン・スタジオやFXプロダクションズ、20世紀スタジオなどが制作した映画やドラマも見ることができるようになり、配信コンテンツ数は1万6000以上にまで拡充された。

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「Disney+」が、“ディズニーらしい”作品でない統合的なエンターテインメントコンテンツを多く配信することは、大きな変革の一歩だったに違いない。チョイ自身も、「理解を得るには時間がかかるかもしれないが、『スター』ブランドは間違いなく、ディズニーの提供するコンテンツやジャンルの幅を広げる新たな道になる」と話す。

さらに「Disney+」では、「スター」で、日本を含む韓国、インドネシア、グレーター・チャイナ、オーストラリアなど、アジア太平洋地域(APAC)発のローカル作品を配信予定で、そのコンテンツ数は20作品以上に及ぶ。うち18作品は、Disney+のオリジナル作品だ。

「ローカルコンテンツを制作・配信できるようになったのは、私たちにとって大きな変化です。優れた才能を持つそれぞれの地域のトップクリエイターたちとともに、新しい作品を共につくっていくことが楽しみでなりません。世界でもっとも優れたストーリーを提供するための方法を手に入れることができたので、可能性は大きく広がっていくでしょう」

ビジネスは大きくなっても、自分たちの信念はずっと変わらないと、チョイは強調する。

「我々がずっと大切にしてきたのは、物語を通して消費者と感動でつながること。時代によって、映画だったりDVDだったり配信だったりと、その手法は変化していきますが、ディズニーのコアにある考え方は変わりません。これからもエンターテインメントのブランドとして、我々にしかできない、卓越したコンテンツを提供していきたい」

ディズニーのコアは、チョイ自身のコアでもある。日本の消費者とディズニーとの絆は、彼女の活躍によってさらに固く、かけがえのないものへと進化を遂げていくのだろう。

文=一本麻衣 写真=曽川拓哉 編集=松崎美和子

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