SDGsを活用した「発信型三方良し」ビジネスを探る


筆者はこれまでに、数多くの企業のSDGs経営を支援してきた。例えば、日本道路、ミルボン、スカパーJSAT、 NEXCO 東日本グループ、SOMPO ホールディングス、日本調剤、YKK APなど。幅広い業界にSDGsが広がっていることがわかる。

その中から、モスフードサービスの事例をご紹介しよう。同社では、SDGs経営の成果として、地域とのコラボ商品の開発が次々と生まれている。

同社がSDGs経営に力を入れ始めたのは2020年度。この年に自社の目標項目とSDGsを紐付け、マテリアリティを特定した。17のゴールだけでなく169 のターゲットレベルまで落とし込んでいるのが特徴だ。同社が大切にする「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」も、独自の目標として加えている。

これを整理したのが、以下のマトリックスである。SDGs とESGを関連付けてわかりやすく整理するツールとして、筆者が考案した「笹谷マトリックス」を基にしている。


モスグループのサステナビリティ(出典:モスフードサービス企業サイト

コロナ禍で打撃を受けた“生産地”を応援


商品開発においてもこのマトリックスを基に進めた。例えば2020年度からは “ご当地 まぜるシェイク”シリーズを4回にわたって展開。各地域の名産品を使うことで国産食材をアピールするほか、コロナ禍で出荷数が減少傾向にある地方の産地・生産者の応援にもつなげた。

また、2021年5月には、「日本の生産地応援バーガー 真鯛カツ<愛媛県愛南町>」(税込530円)を、100万食の数量限定で販売した。

愛南町は、養殖真鯛の日本一の生産量を誇る愛媛県のなかでも有数の産地。ただ、コロナ禍で需要が減り、出荷量は前年比約 50%まで落ち込んだため、養殖真鯛を使った商品を開発することで同町を応援した。


日本の生産地応援バーガー 真鯛カツ<愛媛県愛南町>

ほかにも、次々と地域産品活用型の商品開発が進んでいる。ユニークなものでは、山口県の日本酒「獺祭」の甘酒を使用したモスライスバーガーと蒟蒻ドリンクがある。こちらは日本酒人気が高まっている台湾、シンガポール、香港限定の販売となった。


蒲焼きソースに獺祭甘酒を加えた「白焼きうなぎライスバーガー」と、獺祭甘酒ソースが入った「蒟蒻ドリンクグレープフルーツ味」

文=笹谷秀光

VOL.1

ESG投資をめぐる「不都合な真実」とは?

VOL.3

顧客を「次のステージの橋渡し」へ。りそなホ...

この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ