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自然科学・社会科学の分野で、執筆した論文が引用される頻度が多かった世界の研究者を選出したリストが、今年も米データ分析大手クラリベイトにより発表された。最多は米国の研究者で、最も多くの研究者が在籍する機関はハーバード大学だった。

先月発表された今年のリストには、特定の21分野から約3800人、クロスフィールドで約2800人の合わせて約6600人が名を連ねた。引用情報データベース「Web of Science Core Collection」に登録された自然科学・社会科学の専門誌で、2010〜20年に論文の引用数の多かった研究者が選出され、被引用数が上位1%に入る論文は「高被引用論文(Highly Cited Papers)」と呼ばれている。

国別トップ10


米国からは全体の40%弱となる2622人が選出された。米国の割合は18年が43.3%、19年が44.0%、20年が41.5%で、今年は例年と比べてやや下がったものの、今も大多数を占めることには変わらない。Web of Scienceに登録された2010〜2020年の論文のうち、著者に米国の研究者が少なくとも1人含まれるものは24.7%に上った。

2位は中国で、934人の研究者が選出された。中国は4年間で高被引用論文の執筆者が倍増しており、学術界での同国の影響力の高まりを示している。

3位は英国で、492人(7.5%)が選出された。4位はオーストラリア(332人)、5位はドイツ(331人)。6位はオランダ(207人)で、人口の少なさを考慮すれば大健闘を果たした。7~10位はカナダ(196人)、フランス(146人)、スペイン(109人)、スイス(102人)となっている。

機関別トップ10


1位のハーバード大学からは、214人の研究者が選出された。2~10位以降は以下の通り。

2位 中国科学院(194人)
3位 米スタンフォード大学(122人)
4位 米国立衛生研究所(93人)
5位 独マックス・プランク協会(70人)
6位 米マサチューセッツ工科大学(64人)
7位 米カリフォルニア大学バークレー校(62人)
8位 中国・精華大学(58人)
9位 米カリフォルニア大学サンディエゴ校(56人)
10位 英オックスフォード大学(50人)

米国は上位10機関中6つ、上位20機関でも15を占めた。

論文が引用される頻度は、学術研究における影響力や重要性を示す唯一の指標ではない。しかし、大学の関係者や学部、幹部、資金提供機関は、これを雇用や昇進、契約期間、助成金、予算配分を決定する際の大きな基準としている。

米国の研究者が多く選ばれたことからは、米国での研究結果が科学界で重視され、注目されていることがわかる。また、米国の機関が築き上げてきた確固たる研究基盤と、優れた科学研究が促進される環境が整っている証しでもある。

編集=遠藤宗生

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