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2019年にマザーズ上場を果たしたJMDCは2002年に設立。創業者が重要なデータとしてレセプトデータ(診療報酬明細書)に着目し、レセプトデータの電子化業務からデータ収集を始めた。もともとは、病院や企業健康保険組合からレセプトデータを預かり、匿名加工して製薬会社や保険会社にデータを提供するヘルスビッグデータ事業が主力だったが、近年では、健保のデータヘルス計画や生活習慣病重症化予防といった保健事業の支援でも事業を伸ばしている。

同社のCOOで医師の杉田玲夢は「今後、多様な会社のM&Aや事業提携を通じてさらにデータの種類・ボリュームの拡充を行い、それらを掛け合わせることで健保加入者の方々や企業の方に対する、より精度の高いデータの利活用につながる」と話す。

藤田美智雄が2001年に創業したバリューHR(東証一部上場)は、企業健保向けの保健事業支援サービスで事業を拡大してきた。企業健保の設立支援や運営業務のアウトソーシングだけでなく、健康診断の予約や個人ベースの健診データ管理およびICTを活用した特定保健指導サービスなどの事業が堅調だ。長年にわたって企業が保有してきた従業員の健康情報を電子化し、電子健康情報として管理しているのも同社の強みだ。

藤田は、「我々は企業健診のビッグデータとして日本一だと自負している。こういったデータを個人の承認をきちんと得つつ、情報銀行として社会で活用できるような取り組みも検討している。また、個人のヘルスケアデータをポータルサイトで活用し、広告収入を得ることで、一人ひとりからの利用費をなしにする新しいビジネスモデルも考えられる」と今後の期待を語る。

学校からのデータヘルス改革


日本は世界でも珍しい、全国統一で乳幼児健診や、学校健診が長年実施されている国だ。これまでほとんど手付かずだったこれらのデータの電子化と利活用によって、個人を起点にした「まさに揺りかごから墓場まで」のヘルスケアデータの管理、そしてそれらのデータを活用した新しいビジネスもできるようになるかもしれない。

リアルワールドデータは、医療機関の電子カルテを中心とした診療データのほか、学校・乳幼児健診データの電子化に強みを持つ。乳幼児・学校健診は全国一律で実施されているものの、紙で管理され、保存年限を超えると捨てられてしまっていた。同社のシステムで健診データを個人がアプリで閲覧、管理できるようにしている。約2309万の患者データ、28万人の学校・乳幼児健診情報のデータベースを構築している。これらのデータは匿名処理の上で保管し、研究機関や企業などに提供。

医師でRWD事業部長の服部雅優は「社内には疫学、解析を専門とする医療職が在籍し、知見を生かして的確にデータを分析できる。ただデータを蓄積するだけでなく、積極的に活用して次世代や社会に役立てていくことが重要だと考えている」と話す。

新型コロナ下で、ユーザー数を大きく伸ばしたのが医療相談アプリのリーバーだ。学校での健康観察表をデジタル化し、体温・体調チェックを簡単にアプリで管理できるようにした。同社がベースとする茨城県つくば市を皮切りに全国の700校で採用され、ユーザー数20万人に上る。アプリは医療相談やデジタルワクチン接種管理も可能だ。医師で代表取締役の伊藤俊一郎は、リーバーのほか診療所や介護施設など複数の事業を展開し、施設内の従業員の体温チェックのスマート化や不要不急の受診を減らす医療相談アプリを着想した。

「自分たちの力だけで世界を変えることは難しいが、社会の変化やニーズに柔軟に対応することで事業を拡大してきた」(伊藤)

文=Forbes JAPAN編集部

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