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「ウェルビーイング経営」で注目されるようになってきた従業員のヘルスケア改革。世界的にも貴重なデータが埋もれる日本で新しいビジネスモデルが生まれるかもしれない。


日本でも「ウェルビーイング経営(健康経営)」という言葉が聞かれるようになってきたが、そもそもウェルビーイングとは何か。wellbeingは英語で幸福や健康を意味し、WHOによると、「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態」だ。

企業の「ウェルビーイング経営」では、ウェルビーイングの考え方に立脚したサービスやプロダクトを提供し、新しいイノベーションを起こし、企業のブランドイメージを高める方向性がある。同時に、従業員のウェルビーイングの向上によって、企業の生産性アップや成長につなげていく方向性もある。

アマゾン・ケアは、自社従業員向けのウェルビーイングのプロジェクトとして始めつつ、他企業向けの新規サービスとして仕掛けていく、上記の2つが組み合わさったアマゾンらしい取り組みだ。

一方で、アマゾン・ケアは単に従業員のウェルビーイングを向上させるサービスなだけではなく、データを活用して米企業の大きな負担となっている医療費をどう減らすかという視点で考えられたサービスであることも注目点だ。

ウェルビーイングから始まるヘルスケア改革


増え続ける医療費の抑制が喫緊の課題になっている日本でもデータを使ってコストを削減しつつ、全体のウェルビーイングを高めるという考え方が重要になってきている。

これまで、様々な規制で参入障壁が高いとされてきた日本のヘルスケア分野だが、それが新型コロナウイルスによるオンライン診療の拡大や、ウェルビーイングを重視する企業経営といった社会の変化を受け、変革の兆しが見えてきた。データを使った新しいサービスを提供しようとするスタートアップの進出や、若い企業の続伸が相次いでいるのだ。

ベンチャー・キャピタル・ファンドの「エイト・ローズ・ベンチャーズ・ジャパン」のパートナーで、ヘルスケアビジネスを担当する香本慎一郎は、「日本でも医療費の支払いをする『保険者』が強くなることで、新しい効果的で効率的なサービスが採用されるようになり、ヘルスケア全体が大きく変わる可能性が高い」と期待を込める。

医療がほかのビジネスと大きく異なるのが、サービスの受益者(患者)と支払いをする人(保険者)が違うという点だ。アメリカの場合は公的保険の割合が少なく、制度的に価格効率性を追求しやすい。一方で、日本は患者の費用負担が少なく、企業健保や市町村、国などの保険者が一人当たりの医療費をコントロールするのが困難だ。

変化の兆しはある。新型コロナウイルスの流行はひとつのきっかけとなり、遠隔診療も始まった。医療のデジタル化に対する抵抗感が減り、企業健保も新しいサービスを採用しやすくなってきた。「流れはゆっくりだが確実に起きており、特に企業健保が占める役割は大きい。そこにビジネスチャンスがある」と香本は見る。

文=Forbes JAPAN編集部

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