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米国は難題に直面


米国ではすでに26州が、Covid-19のパンデミックの中で実施してきた公衆衛生対策の規模を縮小している。各州の知事と州当局は、屋内ではマスクの着用を義務づけることなど、最低限の努力を求める規則さえ廃止してしまった。

こうした中でさらに重大な問題といえるのは、知事や当局者たちが、ワクチン接種の義務化に反対したり、さらにはワクチンの安全性や有効性に疑問を投げかけたりすることで、接種率の引き上げを妨げてきたことだ。

米ベイラー医科大学国立熱帯医学校のピーター・ホーテーズ学長は、「反ワクチン」のレトリックは、SARS-CoV-2の変異株「デルタ株」が猛威を振るい始めて以降、防げたはずの15万人以上の死を招いたと指摘。この人たちの死は、「反科学による死」だと主張している。

学長はまた、著書「Preventing the Next Pandemic(次のパンデミックを防ぐために)」の中で、「反科学の十字軍は、公衆衛生を政治化し、(公衆衛生のために)必要とされる規則は個人の自由に反するとの印象を人々に与えた」と述べている。

人々の間で徐々に広がる反科学的な態度と戦うことは、気が遠くなるほどの難題だろう。ホーテーズ学長は、「政府や政治家たちは、すでに広まっている反科学の運動と切り離して、パンデミックを防ぐための対策を講じることはできない」とも指摘している。

公衆衛生当局に求められるのは、必要なリソースを展開することだけではない。政府の行き過ぎに対する人々の恐怖心を和らげ、慎重に「科学に基づいた」決定事項を伝えることができるよう、メッセージの伝え方の改善にも取り組む必要がある。

編集=木内涼子

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