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他社と一線を画す生産戦略


フィスカーは、2番目のモデルをフォックスコン(Foxconn)と共同開発するなど、生産を外部企業にアウトソースしている。こうした取組みは、工場に数十億ドルを投じたリビアンやルーシッドをはじめ、イーロン・マスク率いるテスラと戦略面で大きく異なっている。

大富豪のマスクは、数十億ドル規模の巨大工場「ギガファクトリー」の建設にこだわり、部品生産を極力垂直統合しようとしている。しかし、モルガン・スタンレーのアナリストであるアダム・ジョナスによると、他社と一線を画した生産戦略こそが、フィスカーに注目する理由だという。

「投資家からはよく、なぜフィスカーを高く評価するのかと質問されるが、私はフィスカーが大手企業から提携先に選ばれたことを理由に挙げる。マグナやフォックスコンは、EV業界で自分たちの実力を世界に示したいと考えている。我々は、11月22日の生産開始はフィスカーの目標であるだけでなく、マグナの目標であると捉えている」とジョナスは話す。

ジョナスは、フィスカーの投資判断を「アウトパフォーム」と評価している。彼の下で働くエバン・シルバーバーグは、フィスカーを新興EV企業の“スリーパーピック”(ドラフトでの評価は一番ではないが、最終的に最も活躍する選手のこと)と評しているという。

フィスカーによると、新しい自動車メーカーは通常、生産開始から1年ほどは苦労するという。テスラは、第1号モデルの「ロードスター」を生産にした際に倒産寸前まで追い込まれた。また、2017年には「モデル3」の量産化がうまくいかず、マスクはその状況を「生産地獄」と表現した。リビアンとルーシッドは、いずれもEVの生産台数を2022年までかけて少しずつ増やしていく方針だ。

フィスカーは、自動車業界には生産に対する新たなアプローチが必要だと考えている。

「恐らく、自動車業界は過去100年間変化のない、世界で最も旧態依然とした業界だろう。テクノロジー産業では、ノキアが多くの工場を保有しているのに、どうしてアップルはボタンのない携帯電話を開発し、それを他社に製造させることができると思うのかと不思議に思った人がいるだろう。我々は、アップルと同じモデルを採用した。アップルがテック業界に革命を起こしたように、我々も自動車産業に革命をもたらそうと考えたのだ」とフィスカーは話す。

「消費者は、高品質な車を求めている。私たちは、できるだけ多くの車を可能な限り早く作りたい。私は工場を見せびらかし、自分たちも車を生産できるなどと自慢しない。重要なのは、年間生産台数50万台にどれだけ早く到達できるかだ」と彼は語った。

編集=上田裕資

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