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彼女がソーシャルメディアのインフルエンサーとして身を立てるきっかけとなったのは、写真スタジオだった。小さなスタジオを所有していた彼女は、「インフルエンサーになること」をビジネス目標のひとつに掲げた。ブランドから無料で製品の提供を受けられるし、楽しく仕事ができるだろうと考えたのだ。

フォロワー数が10万人を超えると、インスタグラムのストーリーにスワイプアップ機能を追加して、ユーザーを外部サイトに誘導できるようになった。そのうち、製品を宣伝してもらいたいブランドが接触してくるようになった。

「あのころは、投稿する画像は非の打ちどころがなく、インスタグラムとしての美しさは絶頂期でした。子どもたちは、200ドルもするおしゃれな服に身を包み、私はヘアーエクステやウィッグ、フェイク三つ編みなどをつけたりしていました。演出はとても得意だったんです」



しかし、その姿は本来の自分とは大きくかけ離れていた。

「私には子どもが4人いて、生活は、気が変になってしまいそうなくらいカオスだったのです。家は足の踏み場もないくらいにモノが散乱していたので、それらを脇に押しのけて、白い壁の前に60cmほどのスペースを確保して撮影していました。そこがインフルエンサーのリアルでした。ストーリーに投稿して、アマゾンなど外部サイトに誘導するだけの日々。魂がすっかり吸い取られて、自分がゴミみたいな存在に感じられました」

ホルマンは、他のユーザーから嫌がらせを受けたり、育児の仕方などを批判する「マミーシェイミング」に悩まされたりした末に、「自分はこの先も本当に、こんなことを続けていきたいのだろうか」と悩むようになった。

ブランドから支払われる広告料で快適な暮らしを手に入れられたとはいえ、幸せではなかったのだ。そこで彼女は、インスタグラムのアカウントを非公開にし、ブランドからの広告依頼を断ることにした。

そして、戦略を変えた。「いいね」の獲得を目指すのではなく、ソーシャルメディアが持つ、人との関わり合いという側面に専念するようにしたのだ。フォロワーをコミュニティだととらえ、起業家としての本来の自分を見せ始めた。魅力的とは正反対の姿をさらすことになってもかまわなかった。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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