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神奈川県社会人サッカーリーグ2部・鎌倉インターナショナルFC(鎌倉インテル)では“CLUB WITHOUT BORDERS(国境をはじめ、あらゆるボーダーをもたないクラブを目指す)”をビジョンに掲げていて、初めから国際化を打ち出しているが、地元ありきという考えは強い。


(c) Jesse Kojima

「そもそも地元に愛されてないチームが全国、海外で人気が出るかという話なんですよね。グローバルなクラブを地域のみんなで支えていると思ってもらえるエンゲージメントを目指す、“グローカル”な姿勢をぶらしてはいけないと思っています。

そのうえで、ツールとしてのNFTやクラブトークン(ファントークン)の面白さを考えると、いまの日本の国内に閉じた仕組みになっている状況は面白くないわけです。フィナンシェさんと話していて、そもそも通貨とはコミュニティで、仮想通貨は“money without borders”の発想で生まれたものだと言われて衝撃を受けまして(笑)、もう少し研究して新しい道を模索してみたいと考えています」とオーナーの四方健太郎氏は言う。

「プロセスエコノミーの延長としてのファントークンは凄く健全で、持続可能で、特性を活かしていますよね。さらなる発展のためには、ファントークン保有者“個々に対するアプローチ”の重要性が高まっていくことが考えられます。

こうなってくるとNFTとファントークンの本質的な価値は一致してきます。

“投機的要素とのバランス”を保ちながら、“ローカルとグローバル”を両立し、また“バーチャルとリアル”をリンクさせながら、どう“ファンエンゲージメント”の本質につなげていくかが、今後のポイントです。

これまでのスポーツビジネスでは放映権やスポンサーシップといったマスに対する、言わばバルクセール的なディールが主流となってきました。NFTやファントークンに対する期待感は、そういった流れへのアンチなムーブメントとしても捉えられる気がします。

欧州スーパーリーグ騒動でも、一気に巨額が動くビジネスを最優先した創設クラブの姿勢に批判の嵐が巻き起こりました。スポーツビジネス全般にも言えることですが、スポーツを支えているファン一人一人を巻き込んでいく方向に発展していくことで、NFTやファントークンの可能性はさらに広がっていくでしょう」(山崎卓也氏)

試合がない日にどう稼ぐか──。

日本のスポーツビジネスに求められる「ファンエンゲージメント2.0」の扉を開くカギは、NFTやファントークンが握っているかもしれない。

>> 前編はこちら


山崎卓也◎一般社団法人スポーツビジネスアカデミー理事、Field-R法律事務所 弁護士。1997年弁護士登録後、スポーツ、エンターテインメント業界に関する法務を主な取扱分野として活動。スポーツ仲裁裁判所(CAS)仲裁人 、国際プロサッカー選手会(FIFPro)アジア支部代表、世界選手会(World Players)理事、日本スポーツ法学会理事、英国スポーツ法サイト"LawInSport"編集委員などを務める。
鈴木友也
◎一般社団法人スポーツビジネスアカデミー理事、NYに拠点を置くスポーツビジネスに特化したブティック型経営コンサルティングファーム「トランスインサイト株式会社」創業者・代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、米マサチューセッツ州立大学アムハースト校スポーツ経営大学院に留学(スポーツ経営学修士)
。Forbes JAPAN Webにて「日米スポーツビジネス最前線」連載中。
村田 晋之佑◎シント=トロイデンVV(STVV)事業開発マネージャー。1989年生まれ、東京都出身。2008年に個人事業主として八百屋を創業その後法人化した八百屋を2011年に畳み、英国ヨーク大学入学。三井物産株式会社を経て2016年にリターニーズ株式会社創業・株式会社ジラフ入社。その後同社を退職し2社を起業。2019年11月から現職、クラブの現地でのビジネス活動全般の責任者を務める。
加藤 謙次郎◎湘南ベルマーレ・第三営業部長。1979年生まれ、神奈川県海老名市出身。東京急行電鉄株式会社で広報業務を4年間担当した後、株式会社ヤクルト球団へ転職し、「つば九郎」のプロモーションをはじめとしたファンサービスを企画推進。2014年1月に株式会社NPBエンタープライズへ出向、野球日本代表「侍ジャパン」事業に携わる。2018年11月より現職。
四方 健太郎
◎鎌倉インターナショナルFCオーナー。1979年生まれ、神奈川県横浜市出身、シンガポール在住。立教大学経済学部卒業後、アクセンチュア東京事務所にて、主に通信・ハイテク産業の業務改革・ITシステム構築に従事。2006年より中国に業務拠点を移し、大中華圏の日系企業に対するコンサルティング業務にあたる。2009年に独立し、現在クラブ経営の傍ら、東南アジアや南アジアで海外研修事業などを行う「スパイスアップ・ジャパン」などグループ数社を経営。

文=新川諒 編集=宇藤智子

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