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これは金融におけるダイバーシティの実現にも関係してくると河合は言う。便利な金融とは、実は人や世代によって違うものだ。デジタルツールがどれだけ使いこなせるかによっても、サービスの使い勝手も変わってくる。

鍵となるのは、顧客データの分析やAIの活用、サービスの効率化を図るためのシステムインフラ構築、そして新たな顧客体験(CX)の創出。代表取締役就任から半年、「張り切りすぎて走り回っていますけど、本当にいいチャンスをいただけたと思うので、実現に向けてどんどん動いていきたい」と河合は笑う。

キャリアを支えた「ネットワーキング力」


しかし、少し遡り今年3月のトップ就任について聞くと、「本人がいちばん驚いています」という答えが返ってきた。では、何がこの抜擢に繋がったのか。実力はもとより、彼女自身が大事にしてきた仕事における「強み」とは何なのか。

「ネットワークの構築には、人一倍時間をかけてきたと思います。人と出会えるチャンスは絶対に逃さない。それをずっと意識してきました。(コロナ禍以前は)面談や食事会、飲み会など、人がいるところにはできるだけ出かけていく。飲み会は、単に私が楽しいからというのもありますが(笑)、はしごもして、何次会でも行きました。

社内外にかかわらず、一緒に仕事をする人との関係づくりはもちろん、自分自身の知識を広げるという意味でも、ネットワークに勝る財産はないと考えています」

ネットワーキングの大切さに気付いたのは、ファーストキャリアとして入社した外資系金融機関でディーラーとして働いていたときのことだったという。

金融市場は情報が勝負。ひとことで言えば「友人・知人が多い人が勝つ」世界。河合はこの時期に、「社内外に知り合いの輪を広げるためには、時間と努力は惜しまない」と決め、地道な「人の輪づくり」を積み重ねてビジネスチャンスをつくって、信頼できる仲間を増やしてきた。

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その後、日銀に転職をする前、河合は一時休職して米国のビジネススクールへ留学している。このときの経験も1つの大きなターニングポイントになったと言う。

当時は、金融業界で働くアジア人がまだ珍しかった時代。しかも女性である河合は、「このとき初めて、ダブルマイノリティへの否定的な目線を感じた」と振り返る。

「その目線を跳ね返すためにも、アジア人としてしっかり声をあげなくてはいけないと思いました。けれども、私の意見は、ネイティブの人たちができることをすべてできるようになってからでないと、聞いてもらえなかった。だから、この時は血を吐くくらい頑張ったかな」

文=島田早紀 写真=小田駿一 取材・編集=松崎美和子

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