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以降、鳴坂はリーダーとして走り続け、手がける仕事の範囲も徐々に広がっていった。フルフィルメントセンターと呼ばれるアマゾン独自の流通拠点の計画を任され、各センターにおける入荷、出荷、在庫等の日々のスケジュールのプランニング、緊急対応に奔走した。

さらに、そのフルフィルメントセンターを今後どこにいつ建てるべきかという、より長期の建築計画まで担当することになったが、これが1つのターニングポイントになったと鳴坂は言う。

「分からないことは分からない」で乗り越えた壁


フルフィルメントセンターの建築計画を進めるなかで、不動産業務に携わった時のことだ。

「システム開発出身の私は不動産に対しては初心者。なのに、ディレクターという責任のある立場で、外部の専門家と話さなくてはならなかった。不動産業界は男性が多いこともあって、その時は『この場にいていいのかな』っていうくらい不安になりました」

何がポイントなのかが分からない。専門家との会議で何を発言すればいいのかも分からない。そんな手探り状態を脱却へと導いたのは、「分からないこと」はきちんと「分からない」と言う、鳴坂自身が大切にしてきた姿勢だった。

「心掛けているのは、分からないことがあったら勝手に想像して意思決定するのではなく、素直に『分からない』と言うこと。そうして必要な情報を吸収し、今まで培った常識や経験に照らし合わせた上で結論を下していくことを大切にしています」

専門性の有無で判断基準は変わらない。そこにこだわるのではなく、判断に必要な情報をいかに周りから吸い上げるか。困難の中で新たな学びを得た鳴坂には「このやり方でやれるんだったら、意外と何でもチャレンジできるんじゃないか」という気持ちが芽生えたという。


2020年10月に開設されたアマゾン上尾FC

キャリアを前進させた「投資」の概念


入社時にはたった1人のチームだった鳴坂は、17年が経った今、日本国内外に社員がいる大きな組織を率いるリーダーとなった。アマゾンジャパンもこの17年で大きく飛躍を遂げ、特に外出が制限されたコロナ禍においては、まさに私たちの生活を支える「インフラ」となっている。

「チームが大きくなるにつれて、自分の責任が大きくなっていることは感じている」という鳴坂は、リーダーとして普段からどんなことに気をつけているのか。

「これまで変わらずに実践してきたのは、他人とのコミュニケーションのなかで正直でいること。そして、新人かベテランか、肩書きがあるかないかは関係なく、自分の担当に責任を持って仕事しているメンバーの意見を尊重し、きちんと話を聞くことです」

文=島田早紀 写真=小田駿一 取材・編集=松崎美和子 

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