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今や、デジタルトランスフォーメーション(DX)は企業の競争力向上のための必要不可欠な手段となっている。一方で課題が多いのも事実。旧来型のデジタル基盤の統合や移行に膨大な時間やコストがかかってしまうなど、多くの問題が生じるからだ。そんな問題解決のパートナーとして顧客に寄り添った提案をするのが仮想化ソフトウェアやクラウドサービスを提供するVMwareである。VMwareがDX推進にもたらすメリットはどんなものなのか、日本のエンタープライズを代表する3社の事例を挙げながら掘り下げる。



2018年に経済産業省のデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会が提言した「2025年の崖」は、日本の産業界に少なからぬ衝撃を与えた。DXが実現できなければ2025年以降、1年ごとに最大12兆円の経済損失が生じる可能性があると発表。この発表以後、多くの企業が危機感を募らせ、DX推進に対して本腰を入れ、今では企業の次世代戦略としてDXは常識となった。

しかし、顧客ニーズの変化への俊敏な対応、安定的なサービスの提供、新しい市場開拓、新しいビジネスモデル構築に貢献できるなど、DXがこれからの企業経営に不可欠なものと理解していても、どのようにアプローチすればいいのか悩む企業も多い。実はDX推進をするためには、柔軟で堅実なデジタル基盤やデジタル技術への理解、デジタル技術を最大限活用できる人材の育成や社内カルチャーの醸成などが不可欠と言われている。

ところがこれらを短期間で達成するのは難しい。通常業務との並行、コスト上の負荷、組織規模が大きいがゆえ生まれる足並みの乱れなどに悩まされる大企業も少なくない。そんな悩みを持つ企業に寄り添って支援をするのがVMwareだ。具体的には、どのように企業の変革をサポートしているのか、3つの企業の事例から捉えていく。

アジャイル型開発で、東京証券取引所の「攻めのビジネス」を支援


顧客の「攻めのビジネス支援」という意味で、象徴的なのが東京証券取引所のケースだろう。同取引所は、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ世界三大市場に数えられ、日本経済のみならず世界経済の一角を担う組織。そのため、信頼性の高い取引インフラを整備して世界中の投資家から信頼を獲得してきた。しかし、さらなる成長を遂げるためには株式に代表される従来の金融商品のみならず、魅力的な金融商品を取り扱うことでビジネスの拡大を狙わなければならない。

そこで同取引所が注目したのが世界的に活況を呈するETF(※1)である。これまで機関投資家の間では電話取引という旧来の方法で主に運用されていたが、安価で効率よく取引できるETF市場向けRFQ(※2)プラットフォームを同取引所が開発することで市場拡大を目指した。そんな同取引所が白羽の矢を立てたのがVMware Tanzu Labsだ。リーンスタートアップやデザイン思考を熟知したVMware社員と一緒にMVPを作っていくことで、アジャイル開発手法やアジャイル開発推進で必要なカルチャーを学べるサービスであった点が導入理由の一つだったという。


東京証券取引所 株式総務グループ ヘッド・オブ・ETF・セカンダリー・トレーディング課長 岡崎 啓

「スピードが命の今回のプロジェクトでは、ITの領域だけを支援してくれるコンサルティングではなく、ビジネス開発の領域にまで踏み込んでくれ、“システムを含めたビジネスを作り切る”という姿勢を持ったTanzu Labs のメンバーには感謝しています」

と、株式総務グループ ヘッド・オブ・ETF・セカンダリー・トレーディング課長岡崎 啓は述べている。また、株式部統括課長南出浩希は次のように続けている。

「Tanzu Labsからは、重要な思想として『自ら走ること』を学びました。単純なITサービスではなく、まったく新しいビジネスを実プロダクトへ昇華させ高め続けることのできる、非常に効果の高いサービスです」


東京証券取引所 株式部統括課長 南出浩希

Tanzu LabsメンバーはIT領域のコンサルティングだけにとどまらず、ビジネス開発支援の領域まで踏み込んでくれ、新規ビジネス開発という観点でも大きな成果を得ることができたのだ。他にも、社員の意識という面でも変化が起こった。例えば、RFQのプラットフォーム開発に参加した同取引所のスタッフは、以前にも増して日々の業務がテキパキとし、新しいサービス企画の提案などのスキル上達という変化も生み出したという。つまり、Tanzu Labs利用によってDX推進やビジネス創出のために「自ら走ること」を学び身につけた。そんなカルチャー変革も起きているのだ。

そしてRFQプラットフォームの「CONNEQTOR」は、開発から約1年で最初のサービスをスタートさせることに成功。現在もさらなるサービスの充実を目指して毎月のように機能を拡張し続けている。

マルチクラウド戦略でビジネスアジリティの向上を目指す


続いてVMware Cloudを活用したマルチクラウド戦略で、システムベンダーへの依存から脱却し、ビジネスの俊敏性向上で効果を上げようとしているのがLIXILだ。同社は建材・設備機器メーカー5社の統合により生まれた企業ということもあり、様々なブランドの統合を繰り返してきたシステムは、レガシーなコンピュータの寄せ集めで構成されていた。運用管理もシステムベンダーに依存している状況で、新たなビジネスニーズに対して俊敏に動くことができず、ビジネス機会を逸する可能性があった。さらに同社はグローバル展開を積極的に推進しているが、その際にも統合的なIT基盤を構築し、業務の効率化を進めなければならないという課題を抱えていた。

特定のクラウドサービスだけを使用すると急速なビジネスニーズの変化や技術の進歩に追いつけなくなってしまう恐れがあるが、マルチクラウドであれば、各サービスの最もよいところを素早く活用しビジネスアジリティの向上に貢献できる。また、特定ベンダーへの依存を回避して、将来の選択肢を広げることにもつながる。ただし、マルチクラウド戦略には、グローバルで一貫した運用管理とセキュリティを実現できるソリューションも必要となる。

そんな課題を解決するために選んだのが、VMwareのソリューション、VMware Cloudである。

同社の常務役員デジタル部門システム開発運用統括部リーダーの岩﨑 磨は、次のように振り返る。

「VMwareと当社のエンジニアは、1つのチームとしてプロジェクトを推進しています。よい技術や製品は、クイックに試して正しく使っていくこと、小さな実験から始めて大きく広げていくこと──そしてできるだけ早く価値を生み出すことが重要です。その実現にはVMwareの支援が不可欠だったと感じています。今後もこの関係を継続し、お互いにビジネスを作っていきたいですね」


LIXIL 常務役員デジタル部門システム開発運用統括部リーダー 岩﨑 磨

マルチクラウド戦略にマッチしたVMwareの製品を導入したわけだが、それにより新しい開発体制を生むことにつながり、IT部門の人材育成にも大きな成果をもたらしているという。最先端の開発手法を取り込むことですでに優れたエンジニアが育っているのだ。今後はさらに世界に誇れるIT組織を目指すと共に、LIXIL全体のカルチャー変革も視野に入れる。

同時にLIXILはグローバルに拡大したビジネス・ブランド・組織を統合するという課題も抱えている。より積極的にコラボレーションを推進することで新しい価値の創造を図るためにも、各社のビジネスを支えるIT基盤・基幹システムの統合は必須であり、VMwareが果たす役割は大きいといえる。



リコーの「デジタルサービスの会社」への変革を支援


そして、ビジネスのあり方を大きくシフトするために社内と社外の両輪でDXを推進するのがリコーだ。リコーは長年にわたってオフィス向けデジタル複合機などを提供してきた。以前はプロダクト指向でビジネスを展開してきたが、顧客ニーズや時代の変化により、市場の成熟化や製品・技術のコモディティ化が起こることを早くから予見。その予測通り環境保護や働き方改革によるペーパーレス化などが進み、新型コロナ感染症の蔓延でさらに拍車がかかった。

そんな背景もあってリコーでは、「デジタルサービスの会社」への変革の取り組みを強化している。加えて同社では自社のDXの定義を定めた。それが、世界で広く使われているフレームワークをベースにデジタル技術の社内での活用と社外への提供を併せ持つものだ。中でも社内変革をする社内DXと、それを支える経営基盤の強化に力を注ぐ。

具体的には組織やルールの変革、ITインフラの刷新、デジタル人材の育成など経営基盤の強化である。中でも重要となる点は、グループでもグローバルでも共通となる統合基盤の構築だが、従来のITインフラは巨大で複雑だった。そのため、システムごとに最適なクラウド活用にすることを重視したが、巨大な既存システムをどのように移行し、移行後にどのように運用するのかが最大の課題だった。そこで注目したのがVMware Cloudだ。

VMware Cloudを活用すれば、既存のシステム構成を大幅に変更することなく、アプリケーションへの負荷を最小限に留めながら短期間でクラウドへの移行が可能となる。しかも古いシステムを移行しつつ既存システムも稼働させるというハイブリッド構成ができるのも大きな魅力なのだ。

つまり、「VMware Cloud」のマルチクラウド管理プラットフォームとしての優れた機能が導入の決め手となった。

さらに同社ではリモートワーク環境の運用にも必要な機能がパッケージ化された「VMware Workspace ONE」を活用することで、コロナ禍における在宅勤務に対しても迅速に環境を整備することに成功した。このように多様化する社員の働き方に対しても支援できるようになった。そして今後は、社内で蓄積されたデジタル技術を最大限に活かして、社外DXへの取り組みを加速させる。

また、デジタル戦略部基盤開発統括センター所長の小林一則はVMwareの製品やサービスについて以下のように語っている。

「VMwareのサービスや製品は多岐にわたり、単に業務を改善するだけではなく、文化を変えることができるものだと感じています。またVMwareは、私たちに寄り添ってサポートし、共に歩んでくれるパートナーとして信頼しています。VMwareのソリューションによって企業をどう変革させるのか、どうやってビジネスに活かすのか─デジタルジャーニーを常にイメージすることが重要です」


リコー 理事 デジタル戦略部基盤開発統括センター所長 小林一則

成果に結びつくVMwareのソリューション


このように三社の経営課題やおかれた状況は異なるが、VMwareのソリューションは様々な課題の解決に貢献する。柔軟で迅速なシステム移行が可能なマルチクラウド管理プラットフォームはビジネスアジリティの向上に貢献し、アジャイル型開発プロセスはもちろん、アジャイル開発を実践するチームやカルチャーも身につけることができるサービスであるTanzu Labsは、社員の意識変革や新規事業の立ち上げに貢献した。そしてその成果は確実に表れている。先が予測しづらい不確実性の時代には、変化を素早く察知し、それが自社の成功要因に与える影響を考察したうえで変化へ迅速に対応することが必要となる。その変化への対応手段としてDXの重要性は増すばかりだが、VMwareがベストパートナーとして活躍してくれることは間違いない。

紹介した3つの事例の詳細は以下で確認できる。

アジャイル型開発で、東京証券取引所の「攻めのビジネス」を支援した事例

マルチクラウド戦略でビジネスアジリティの向上を目指したLIXILの事例

人材育成も含めた、リコーの「デジタルサービス会社」への移行を支援した事例

【お問合せ】
VMware株式会社
https://www.vmware.com/jp/company/contact_sales.html


※1:日本語では上場投資信託という。株式同様に手軽に売買でき、投資信託と同様に1銘柄で分散投資が可能な、株式と投資信託の特徴を併せ持つ金融商品。

※2:主に機関投資家が売買を希望する銘柄・数量などを多くのマーケットメイカーに打診し、個別に提示された価格で売買を行うことができる機能のこと。

参考:冒頭の経済産業省のデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会が提言した「2025年の崖」について>>

Promoted by ヴイエムウェア / text by Tetsuji Hirosawa / edit by Hirotaka Imai

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