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ハワイでは、屋内でのマスク着用義務は続いているが、屋外ではマスクの着用義務は撤廃されている。このような複数の要因が重なり、感染力の強いデルタ株が急激に広まり、8月に入ってから感染者が急増したと考えられる。現在ハワイの新規感染者のうち、93%はデルタ株の感染だという。

また現在新型コロナに感染して入院している人の90%以上は、ワクチン未接種というデータが発表されている。つまりハワイでは、住民のおよそ7割がワクチンを接種しているが、残りの約3割の人々の間で、デルタ株の感染が急激に広がっているということだ。

旅行自粛要請に、接種証明の義務化


感染者の急増を受けてハワイでは8月11日より、集会の人数を屋内は10人まで、屋外は25人までに制限。飲食店では入店できる客数が、収容人数の75%から50%となるなど、規制を引き上げる対応を行っている。しかし感染者が一向に減少を見せないため、イゲ州知事は8月23日の記者会見で、ハワイ旅行を計画している人々に対して自粛を呼びかけた。

さらに8月下旬になっても感染者数は減少するどころか、微増。最近は死者も一定数出ていることから、ハワイでもっとも感染者の多いオアフ島では、レストランやバー、スポーツジム、映画館、美術館などの入場時に、ワクチン接種証明書、または48時間以内の検査での陰性証明の提示を義務付ける措置を、9月13日から60日間行うと決定された。

州知事は、1年前に行われたロックダウンのような措置は、できるだけ避けたい意向を示しながらも、このまま感染者が減少しない場合は再検討すると述べている。また、これまでは2回の接種を終えた人が住民の7割に達した時点で、新型コロナに関する全ての規制を撤廃するとしていたが、この目標も再検討せざるを得ないという。

ハワイでは8月上旬、州職員へのワクチン接種の義務化が決定。現地の多くの医療機関でも、従業員のワクチン接種が義務付けられている。

現在のハワイでは、新型コロナに関するさまざまな規制に反発し、ワクチン接種を拒否する人々の間を中心に感染が拡大し、それにより、再び規制強化を強いられるという、矛盾した状況に陥っている。このことを強く指摘しているグリーン副知事が、ワクチン義務化に反対する人々の間で標的となり、副知事の自宅周辺まで抗議団体が詰め寄っていることが報道されている。

ワクチン接種率が7割に達しても、新型コロナとの闘いはまだまだ終わらないことが明らかとなった、今回の感染爆発。ファイザーやメルクなどの大手製薬会社は、新型コロナ治療薬の開発を進め、一部は最終段階の臨床試験を始めているというが、一般に普及するまでにはまだ時間がかかるだろう。ワクチン反対主義者が一定数いるなか、新型コロナとどのように付き合っていくべきか。新たな課題を突きつけられている。

文=佐藤まきこ

新型コロナハワイ

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