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記念すべき第1作目としてリリースされたのが、世界初のIPC公式パラリンピックゲーム『ザ ペガサス ドリーム ツアー』だ。そもそもパラリンピックをゲームの題材にしようと考えたのはなぜか? もちろん、IPCからの打診やタイミングといった要因も大きいかもしれないが、田畑氏自身がパラリンピックやパラスポーツに興味がなければ作られなかったはずだ。

「パラリンピックが、オリンピックというメインストリームに対するオルタナティブな存在として光り輝いて見えたんですよ。一般の人からすると、パラリンピックはオリンピックの後に開催される地味な大会というイメージかもしれませんが、実はパラスポーツの分野は人間の身体機能の拡張と科学技術の進化が融合することで、すごい勢いで成長しています。

ゲーム業界ももっとも面白かったのは、テクノロジーの進化と世の中の文化や価値観の変化が並走して成長していた時代でした。いまのパラリンピックやパラスポーツには、当時のゲーム業界に近い面白さを感じましたね。おそらく、50年後のオリンピックは現在とそこまで変わっていないと思いますが、50年後のパラリンピックは大変な進化を遂げているはずです。これからというタイミングで、その進化の過程に関われるのは非常に魅力的だと思いました」

また、パラアスリートのもつヒーロー性や特殊能力にも強く惹かれたという。自分の限界を突き詰めて、通常のアスリートたちができない偉業を成し遂げている事実や、想像以上の激しさやスピード感で躍動的にプレーをするスタイルを伝えるには、豊富な表現方法をもつゲームが果たせる役割は大きいと考えたという。

目指すは、ダイバーシティ&インクルージョンが“当たり前”となる世界



パラアスリートとしてエネルギッシュに成長していくマインが、現実社会をポジティブに生きるパワーを与えてくれる

そんな熱い想いをもつ田畑氏が手がけた『ザ ペガサス ドリーム ツアー』は、プレーヤー自身の分身となったアバター“Mine(マイン)”を通して、さまざまなパラスポーツの競技に参加し、パラアスリートとして高みを目指していくゲームだ。

そこには、IPCが志す「ダイバーシティ&インクルージョン」の世界が、ゲームクリエイターの手によって鮮やかに、そしてエキサイティングに描かれている。すべての個性が尊重されるゲームの舞台“ペガサスシティ”でつながり、仲間とともに成長していくストーリーこそ、世界的なパンデミックによって人と人とが分断された今こそ必要なのかもしれない。


マインが他のプレーヤーたちと友だちになることで、あらゆる個性が尊重される「ダイバーシティ&インクルージョン」の世界を疑似体験することができる

文=高柳淳(パラサポWEB) 写真=谷口大輔

Forbes Sportsオリンピックゲームeスポーツダイバーシティ
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