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このAHLの姿勢をよく表しているのが、高い技術開発力を活かしたパラスポーツ選手のアシストだ。

「我々がサポートしている選手から義足の相談を受けたのがきっかけです。他の選手にもヒアリングすると、自分でスニーカーの底を切って貼ったりしていて、ソールの減り方が均一じゃなかったり、場所によって滑りやすかったりと、苦労されていることがわかったんです。ゴム、路面との接地解析は我々の専門領域ですから、じゃあ作ってみようということになりました」

パラトライアスロンの秦由加子選手の要望から生まれた義足ソールは、タイヤパターン開発技術を応用し、接地面に加わる力と挙動を観察して開発されたという。


パラトライアスロン・秦由加子選手(写真提供:ブリヂストン)

ブリヂストンには自転車の製造・開発の技術もある。自転車競技に取り組む中で人の漕ぎ方や力の入れ方によってどういう結果が出るかといった行動解析のデータが蓄積されており、それが義足で自転車を漕ぐ選手へのアドバイスにつながったケースもあった。

「こういう乗り方をしてみたらどうですか? という提案をしてみた時、これまでやったことがなかったけれど、とても楽だったという感想をもらったんです。本業で培ってきたデータや知識、技術がこんな風に活かせるんだ、と新たな発見がありました」


(写真提供:ブリヂストン)

以来、自転車競技選手やトライアスロン選手に自転車のペダリング出力計測・ポジショニングチェックを定期的に実施し、レースでのタイム改善を支援している。

ほかにも、車いすマラソン用グローブ、車いすテニス用のタイヤなど、自社技術の応用によるアスリートのパフォーマンス向上への貢献は広がっている。

やってみたくてもできない…と諦めていた人たちに、気軽にチャレンジできる機会を


障がいのある人がスポーツをするには、大きなハードルがあり、やってみたくてもできない……と諦めるケースも多い。それを変えらえないか、とブリヂストンは「車いすテニス体験会」などを開催し、気軽にチャレンジできる機会を作り出した。

「主に障がいのある方を対象とした“車いすテニス体験会”は、2017年からこれまでに6回開催し、のべ91名の方に参加していただきました。体験会をきっかけに車いすテニス教室に通うようになったという小学生、パラスキーを始めたという20代男性、外出の機会が増えたという60代男性の声などを聞くと、障がいのある方の社会参加のきっかけ作りに役立てたということを実感します」

また、「健康寿命延伸」への取り組みも展開している。

少しでも長く自分の足で移動したいというのシニア願いを叶えるべく、ブリヂストンスポーツアリーナの健康運動指導士のノウハウを活かした、個々人に合った適切な歩行フォーム、運動指導ができるプログラムの開発など、幅広い世代の健康基盤づくりへの取り組みも進んでいる。


(写真提供:ブリヂストン)

文=定家励子(パラサポWEB) 写真=四十物義輝 編集=高木真佑子(パラサポWEB)、宇藤智子 企画協力=日本財団パラリンピックサポートセンター

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