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ションダ・ライムズ(Photo by Christian Alminana/Getty Images For Cannes Lions)

昨年のクリスマスにネットフリックスの大人気ドラマ「ブリジャートン家」が初めて配信された際、脚本を手掛けたジョンダ・ライムズは、ロサンゼルスの自宅で3人の娘たちとプレゼントのラッピングを開けていた。同ドラマは、ライムズが初めて手掛けたネットフリックスのオリジナルシリーズだ。

彼女の元に、ネットフリックスのテッド・サランドスCEOから作品を絶賛するテキストメッセージが何度も届き、彼女はヒットを予感した。その後、ヒラリー・クリントンからメールが届いたという。

クリントンは、サイモン・バセット侯爵役のレジ=ジーン・ペイジの演技に魅了され「侯爵が頭から離れないが、どうしたらいい?」と質問してきたという。

現在51歳のライムズは、人気恋愛小説のドラマ化を数多く手掛けてきた。無数のコンテンツが溢れる今日にあって、「ブリジャートン家」は不可能とも思える快挙を成し遂げた。配信開始から28日で、ネットフリックスの有料会員の40%に相当する8200万世帯がこのドラマのシーズン1の全8話を視聴し、日本を除くすべての国でトップ10に入ったのだ。サランドスは、数週間のうちにシーズン2の制作を決め、4月にはシーズン3と4も追加で制作することに合意し、現在は、スピンオフドラマを制作中だ。

ライムズは、ネットフリックス限定のコンテンツを制作することで、同社から年間3000万ドルの報酬を得ているが、ドラマの大成功を受けてさらに数百万ドルのボーナスを手に入れる予定だ。前払いが多いストリーミングの契約で成功報酬を得ることは稀だ。

「報酬が自分に不釣り合いだと感じたことは一度もない。常に自分の努力に見合った報酬を得ていると考えている。自分を小さく見せる習慣が付いている若い女性を見ると、イライラする」とライムズは話す。

ライムズは、2017年に10年以上契約関係にあったABCを去り、ネットフリックスに移った。ブリジャートン家の大成功により、彼女はその決断が正しかったことを証明してみせた。「自分に賭けてみることが必要だ。もし私が安全策をとっていたら、それまでいた場所で全く同じことをし続けていただろう。自分を信じることは、無茶なことではなかった」と彼女は言う。

それでも、ABCで大成功を収めていたライムズが同社を去ることは、リスクが大きいと思われた。彼女は、医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」や「スキャンダル 託された秘密」、「殺人を無罪にする方法」」などのヒット作でABCの親会社であるディズニーに20億ドル以上をもたらした。「スキャンダル 託された秘密」では、ケリー・ワシントンがアフリカ系アメリカ人の女優として40年ぶりにドラマの主役を務めた。また、「殺人を無罪にする方法」で主役を演じたヴィオラ・デイヴィスは、アフリカ系アメリカ人として初めてエミー賞のドラマ部門主演女優賞を受賞した。

編集=上田裕資

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