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19世紀インドにあったシク王国の君主ニハール・シンの直系子孫である彼は、王族としての地位を利用して社会運動に取り組んできた。それは一族の伝統でもある。マハトマ・ガンジーの秘書を務めたあと、1927年に全インド婦人会議を創設し、WHO総会議長などを歴任した女性政治家ラジクマリ・アムリット・カウルは、シンの親戚にあたる。

彼自身の経歴に目を向けると、シンはインドにおける同性愛の合法化に賛同し、同性愛関係を犯罪とみなすインド刑法377条の撤廃を求める運動を展開してきた。また、総額500万ドル以上に相当する黒人、女性、LGBTQ+アーティストによる作品を博物館に寄贈している。

NFTは民主的だとシンは主張するが、一方で、NFTはアートの世界にデジタルな壁をつくるだけだという意見もある。ARTnewsのプレジデントと編集ディレクターを兼任するマリオン・マネカー(Marion Maneker)は、「NFTは芸術を民主化しているのではない。単に一握りのアーティストを大金持ちにしているだけだ」と指摘する。NFTは、旧来のエリートを新しいエリートと交代させるだけだとマネカーは主張する。

20世紀中盤の著名女性芸術家の作品を扱うRewind Collectiveは、これに異を唱える。「今回のようなコラボレーションは、疎外された人々にスポットライトを当てるものであり、それにはクリスティーズのようなオークションハウスや、アマール・シン・ギャラリーのような社会運動志向のギャラリーがもつ、大規模なプラットフォームが不可欠だ」と、同団体の広報担当者は言う。「こうした例にならい、女性やマイノリティにもっと関心をもつ団体が増えてくれば、アート界だけでなく、世界のさまざまな業界とコミュニティに恩恵がもたらされるだろう」

NFTの価値が持続するかを懸念する投資家に対して、シンは、堅実に投資すれば配当が得られるはずだと主張する。「質の高いNFT、意義があるNFT、何かを象徴するNFTは、必ず価値が保たれる。一方で、思いつきの殴り描きにNFTが発行されることも多いが、そうしたものは消え去る運命だ」

翻訳=的場知之/ガリレオ

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