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しかしトラック部門に強力な競合はいない。テスラのサイバートラックは盛大にお披露目されたものの、22年まで生産されない見通しだ。リヴィアンがテスラの市場支配に対する脅威となれば、EV分野が活性化され、真のEV競争が生まれるかもしれない。

「一部の専門家は、しばらく前からそのような事態を予測していましたし、現在、EVのさらなる普及につながるいくつかの重要な要素が生まれている」と、カリフォルニア工科大学でコンピュータ科学と電気工学を教えるスティーブン・ロー教授は語る。1つ目の要素は、航続距離の伸長。2つ目は、利用できる充電施設の増加。そして3つ目の要素は価格だ。


7人乗りの電動SUVのR1S

リヴィアンは、R1SとR1Tは極めて優れた性能を提供できると主張しており、約640km、つまり既存のEVより120km近く長い航続距離もその一つだという。また、どちらも約3秒で停止状態から時速約95kmまで加速できるようになる。なにより、リヴィアンは本物のオフロード性能を約束している。また、テスラの充電スタンド網「スーパーチャージャー」のような充電インフラづくりも計画している。

「充電施設も並行して開発中だ」と、スカリンジは語る。多くの面で、資金力のある新しいパートナーたちがカギとなるだろう。

アマゾンやフォード、コックス・オートモーティブから出資を得て、短期間で軍資金を蓄えたことは、スカリンジにとって見事なスタートだ。一方で出資者たちは、テスラには決して提供できない商機を、リヴィアンに見いだしている。

じつは、スカリンジが彼らと結んだパートナーシップは、資金の提供にとどまらない。フォードとは、EVを共同開発することになっている。リヴィアンはフォードと提携することで、自社の製品ラインナップを乗用車EV以外にも広げることを期待している。フォードは、22年末までに40車種のEVを展開するという自社の電動化目標に向けて、いろいろな選択肢を残しておくためにリヴィアンと手を組んでいる。

一方でアマゾンは、電池駆動の配送バンの開発でリヴィアンを当てにしている。アマゾンは40年までにすべての事業で二酸化炭素排出量の実質ゼロを達成し、30年までにすべての事業で再生可能エネルギーの使用率を100%にすると誓約しているからだ。そのため、同社はリヴィアンに10万台のバンを発注している。

少なくとも1万台が22年末には路上を走行しているはずであり、24年までには10万台すべてがアマゾンの車両として稼働している見込みだ。このバンはおそらく、アマゾンの集荷から配送まで網羅する物流網の一端を担う。アマゾンがバンの発注を増やす可能性もある。


アマゾンの配送バン

文=チャック・タナート 写真=ジャメル・トッピン 翻訳=木村理恵

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