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石川:なるほど。確かに働きかたや産業のありかたが、デザインの文脈で語られるというのは、今にはじまったことではないですね。

永井:近代デザインの出発点と現在で、問題になっていることには共通する部分が多い。それは、どちらも時代の変わり目だからじゃないでしょうか。私は、そういった問題にデザインで向き合うときに、フレームワークとして経済性と文化性と社会性の交点というのを常に意識しています。

石川:文化と社会! 僕はデザイン思考が、ビジネスパーソンを説得するためのツールではなくなるといいなと思っているんです。

永井:売上をのばすための手段ということでしょうか?

石川:いまビジネス上の判断軸というのは経済性に偏っています。でも本当は「これは文化性がないからNO」「社会性がないからNO」というような判断があってもいいんじゃないか、と。

永井:まさに美意識による判断ですね。多くの経営者がそのような価値観を持つと世の中が変わりそうです。

石川:あの人を喜ばせたい、社会をおもしろく、心地よくしたい。じゃあどうしようという思考で。デザイン思考って、シンプルに言うとそういうことだと思うんです。


永井 一史◎HAKUHODO DESIGN代表取締役社長、多摩美術大学教授。多摩美術大学卒業後、博報堂に入社。2003年、デザインによるブランディングの会社HAKUHODO DESIGNを設立。様々な企業の経営改革支援や、企業・行政の事業、商品・サービスのブランディング、VIデザイン、プロジェクトデザインを手掛けている。2015年から東京都「東京ブランド」クリエイティブディレクターなどを務める。著書に『博報堂デザインのブランディング』『これからのデザイン経営』など。

石川 俊祐◎KESIKIパートナー。英Central Saint Martinsを卒業。Panasonicデザイン社、英PDDなどを経て、IDEO Tokyoの立ち上げに参画。Design Directorとしてイノベーション事業を多数手がける。BCG Digital VenturesにてHead of Designを務めたのち、2019年、デザインファームKESIKI設立。多摩美術大学TCL特任准教授、CCC新規事業創出アドバイザー、D&ADやGOOD DESIGN AWARDの審査委員なども務める。Forbes Japan「世界を変えるデザイナー39」選出。著書に『HELLO,DESIGN 日本人とデザイン』。

写真=小田駿一 構成=水口万里、若尾真実

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