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──そうやって子どもたちを信頼し、尊重しつつ、一方で高いレベルの期待を押し付けることなく示すには、どのようにすればよいのでしょうか。

私は習い事でも何でも、「好きか嫌いかわかるまで挑戦しなさい。1回で辞めてはダメ」といつも娘たちに言っていました。また、書く力をつけるために、日記を毎日付けるように言っていたのですが、それを何度も書き直しさせていました。 

私の哲学は、学び方や学ぶスピードは人それぞれ違うけれど、あきらめずに挑戦し続けている人が、最後は成功するということ。できなくても失敗しても再び挑戦することこそ、あなたが成長できる貴重な機会だと、子どもたちに伝え続けることが大切です。

──本の中にも登場する「タイガーマザー」(中国式のスパルタ教育の子育てを描いたイエール大学エイミー・チュア教授の著書)ではないものの、一般的にアジアの親は過干渉の傾向があり、信頼や尊重の大切さをわかっていても実行するのは難しいと感じます。

“The less you do, the more they do.”(手をかけないほど、子どもたちは自らの力でやる)。

まずは小さなステップから始めて、彼らを信頼し、任せてみることです。

学校では100%言われたことをやらなければいけません。毎日決まった時間割で、決まった先生の授業を受けること以外、選択肢がないからです。でも子どもたちにとって一番大事なのは、大人にコントロールされないこと。だから20%の時間は、子どもの自由な意思で使わせてみてはどうでしょうか。

これは日本だけの問題ではありません。学校ではまるでサイロのように、何をどのように教えるべきかが教科ごとに決められていて、皆に同じスキルを身につけさせ、標準的な市民を生み出してきました。20世紀まではそれが機能していましたが、今はクリエイティブであることが求められています。

それにはこれまでのようなやり方はもう通用しません。むしろ、失敗したり、はみ出たりするくらいの方がいい。これからの時代に必要なのは標準化されたスキルではなく、4つのCの力(Creativity[創造性]、Communication[コミュニケーション]、Critical thinking[批判的思考]、Collaboration[協働] )を身につけることなのです。

インタビュー=関 美和 文=加藤紀子

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