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5月10日月曜日に大きく値を下げた米国株式市場は11日、消費者物価指数の発表を前にインフレ懸念が高まったことで再び急落した。これにより、昨年大幅な上昇を記録した銘柄に大きなプレッシャーがかかっている。

11日の取引開始直後に、ダウ平均は301ポイント(0.9%)下落し3万4367ドルをつけた。S&P500は1.3%の下落で、ハイテク株の多いナスダックは2%下落し、4月下旬の高値から約7.5%も下落した。

ナスダックの下落を牽引したのは、6%近くの急落となったテスラだが、これは同社の中国での販売台数が4月に前月比で27%のマイナスという大幅な減少を記録したためだ。

また、ビッグデータ企業のパランティア・テクノロジーズは10日の取引終了後に予想を上回る売上高と利益を報告したが、経営陣が今後4年間で売上高の伸びが鈍化するとの見通しを示したため、9%の急落となった。

11日に急落した大手テクノロジー銘柄にはアップル(3%減)、ツイッター(6%減)、フェイスブック(2%減)が含まれ、ナスダックに上場するモデルナやズームビデオ、ペロトンらもそれぞれ7%、6%、4%の下落を記録した。

オアンダのマーケットアナリストのソフィー・グリフィスは、11日のメモで「世界の2大経済大国である中国と米国がインフレ圧力の上昇の兆しを見せており、投資家は神経質になっている」と書いた。「最大の懸念は、パンデミックからの回復のための刺激と経済再開の相乗効果でインフレ率が急上昇し、中央銀行が金融政策を引き締めることで、景気回復が遅延する可能性があるというものだ」

昨年の株式市場は、かつてない規模の財政出動に支えられて大きく上昇したが、専門家は余剰資金や繰延需要が問題のあるインフレにつながることを警戒し、モルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカもパンデミックではなくインフレが株式の最大のリスクであると警告している。

昨年40%以上も上昇したナスダックは、今年はわずか3%の上昇にとどまっており、ダウとS&Pはそれぞれ14%、12%の上昇となっている。

Stock Traders DailyのCEOのトーマス・H・キー・ジュニアは、ハイテク株の下落についてMarketwatchに語り、悪いインフレが株式市場にとって「最悪のシナリオ」になると指摘した。「投資家は政府からタダでお金を配られ、景気刺激策が全面的に実施される中で全くリスクを感じていない。これが最も危険なことだ」と彼は述べた。

労働統計局は12日朝に、毎月のインフレ指標である消費者物価指数(CPI)を発表する。エコノミストは、コア部分の指数が前年同月比で2.3%の上昇になると予測し、4月の1.6%の上昇からさらに伸びると見込んでいる。オアンダのグリフィスは、「大幅に高い数値が出れば、ハイテク株が再び急落する可能性が高い」と述べている。

*5月12日14:00 パランティアの株価に関連した情報を追記しました。

編集=上田裕資

ナスダックアメリカ経済

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