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北野唯我とカリスマ起業家が定義した、『意志ある事業』と模倣事業の決定差」に続き、これまでに50以上の新規ビジネスを立ち上げた事業家で『起業は意志が10割』(講談社刊)を上梓した守屋実と、最新刊『内定者への手紙』(キンドル限定版)や『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、全ての人へ』(日経BP社刊)など多くのベストセラーを持つワンキャリア取締役の北野唯我が語り合う。

事業における顧客志向の重要性と、2人が目指す「これから」とは。どんな時も立ち止まらない注目の起業家たちに、彼らが見る「未来」を尋ねた。


ビジネス実装のエネルギーは「意志」


守屋:そもそも北野さんのビジネスの原体験とは何だったんですか。

北野:高校時代に、ドメスティックバイオレンス(DV)の問題に挑む社会起業家のようなことをしていました。後輩がDVを受けていることを知り、「何かしないといけない!」という使命感から活動していたんです。高校3年生だったこともあり、「この受験の時期に1円にもならないことをやって」とか「北野は痛いやつだな」とか散々周りからは言われたんです。自分の意志がなかったらとても続けられなかったですね。

でも、ある日、僕の活動が新聞に掲載されて、それを見た先生の「北野、おまえすごいな」の一言で流れが変わったんです。


ワンキャリア取締役、『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』著者、北野唯我

守屋:まさに、意志の重要性ですね。加えて、僕はビジネスにおいては「一筆書きの高速回転」をぐるぐる回すことも重視しています。世の中には、あった方がいいことや解決すべきことは、腐るほどありますよね。しかし、そのプロダクトが未だ存在していないということには、なんらかの理由があると思うんです。例えば、顧客の許容範囲の価格帯で提供できなかったり、そもそも規制されていたりするといった理由がありえます。ぐるぐると一筆書きの高速回転をして考えていく中で、欠落に気づきます。その回転を続けていくことで、いつの間にか頑強な事業になっているんです。


【図2】「一筆書きの高速回転」のイメージ(出典:『起業は意志が10割』(講談社))

北野:なるほど。高校での活動はたしかに注目されたのですが、その時に「ボランティアでは世の中は変わらないな。ビジネスの力をつけないといけない」と確信したんです。「一筆書きの高速回転」をしていくことで、意志をビジネスにしていけると感じました。

守屋:ビジネスにしていくことで、スケールできますからね。社会活動的なことであっても、そうした方が、結果として多くの人を救うことができるのではないかと思っています。

僕は、独立当初ケアプロという会社に参画しました。日本では、生活習慣病から重篤な症状に陥ったり、重病を併発したりする人が少なくありません。だから、健康診断に行かない人、もしくは行けない人に、健康診断を受けてもらい予防サイクルを身につけてもらうことが社会の大きな課題なのです。ケアプロは、その課題解決を目指しました。容易に想像できると思いますが、この事業のマネタイズは難しい。そこで、試行錯誤をしながらパチンコ店やスーパーなどに出店し、企業側からCSR予算と販促予算をつけてもらい、収益化していったんです。ビジネスにすることで、健康診断を受けない人の健康問題の解決を実現できたんです。


新規事業家で『起業は意志が10割』著者、守屋実

構成=佐藤智

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