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グローバル視点で覗きたいエンタメビジネスの今


ワーナーメディアの発表によると、HBOとHBO Maxを合算した加入者数は、全米で4150万人(2020年12月末)。2025年末までに世界で1億5000万人の加入者を獲得するという目標を打ち出し、今年中に急ピッチで世界60カ国に広げていく計画があることを明かしています。

こうした強気の計画を打ち出した背景には、HBOが世界中で支持される人気作品群を保有していることが大きいでしょう。またHBOは、1話に10億円以上の製作費をかけるプレミアム作品を多数揃えるNetflixに対しても、同等に肩を並べるくらいの大型作品を製作しています。

たとえば、第62回エミー賞で最多8部門を受賞したHBOドラマシリーズの「ザ・パシフィック」(2010年)は、トム・ハンクスとスティーヴン・スピルバーグ、ゲイリー・ゴーツマンが製作総指揮を執った作品ですが、1話あたりの製作費は20億円以上、総製作費は200億円と言われています。

HBOブランドは、これまでに多くの「映画並みのスケール」という表現に収まりきらない作品を生み出し、期待以上の良作というイメージを築いてきたのです。

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クオリティの高いコンテンツを強みとするHBO Max

Netflix一強の勢力図に変化の兆しが


こうしたクオリティの高い強力なコンテンツを売りにするHBO Maxですが、定額動画配信サービス市場においては、ローンチ後まだ1年足らずという「新参者」の位置づけです。

イギリスの調査会社OMDIAによると、全世界の定額動画配信サービスの加入者数は、2020年に10億人に到達したということです。そのなかで、Netflixが加入者数2億人(2020年末時点)でトップを独走、続く加入者数約1億人のDisney+とAmazon Prime Videoを、現状では大きく引き離しています。

そして、その後に続くのが、Apple TV+(2019年〜)やNBCユニバーサルのPeacock(2020年〜)、そして今年3月にCBS All Access(オールアクセス)ストリーミングサービスをパラマウント・ピクチャーズがリブランドしたParamount+という、GAFA運営とハリウッド直下のサービスが並ぶというのが、現在の大まかな動画配信サービス市場における勢力図といえるでしょう。

新参者のHBO Maxは、いまはまだ、そのなかのひとつに過ぎません。しかし、今後、この勢力関係に大きな変化が見られることが予想されています。

例えば、Disney+は長い歴史の中で培われてきた圧倒的なブランド力があり、2019年のローンチから急激に追い上げています。今後、定額動画配信サービス市場が急成長しているインドや東南アジアなどで、加入者数を伸ばすための施策が行われることは確実です。

前述のOMDIAは、製作費の投資額や各地域の市場の成長規模、各社の計画値などを材料に、4年後の2025年の勢力図を次のように予測しています。

Netflixの全世界加入者数は2億5000万人強の見込みで、トップであることに変わりはありませんが、Disney+がNetflixに迫る勢いで成長。Amazon Prime Videoは伸び悩み、1億5000万人強の見込みで3位に転落。続く4位にHBO Maxが入り込むとしているのです。

文=長谷川朋子

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