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I solve the “people pain points” that keep leaders awake at night.


この調査では、ストレス、とりわけ会社経営のストレスが、単に不快なだけのものではないことが見事に実証されている。文字どおり、命を縮めることもあるのだ。そして当然のことながら、ここ1年であらゆるレベルの従業員が直面しているストレスを考えれば、CEO以外の会社で働く人たちには何が起きているのかという疑問が湧いてくる。

実際のところCEOは、最前線にいる一般的な社員に比べると、仕事上のストレス(業界の打撃や敵対的買収の脅威など)にうまく対処できるとも考えられる。なんといっても、トップの地位を志す人たちは、長時間労働と大きなストレス、そしてしばしば熾烈な競争が伴うキャリアの道をみずから選んだのだ。自分が何に足を踏み入れることになるのか、少なくとも多少はわかっていたと推測できる。だとすれば、中~高水準のレジリエンス(逆境からすぐに立ち直る能力)を備えている(もしくは、備えていると本人は思っている)と考えてもいいだろう。

それなりのレジリエンスを備えたCEOが、ストレスのせいで寿命を縮めているのだとしたら、残りの99%の社員には何が起こるのだろうか?

「従業員はレジリエンスを高める必要がある」と題した筆者の調査研究では、3万人を超える従業員を対象に、典型的なレジリエンステストを実施し、「明らかな失敗をしたときに、すぐにもう一度挑戦するチャンスを探し始める」かどうかを尋ねた。その結果、従業員の27%が「いつもそうする」と答えたのに対し、20%は「めったにそうしない」もしくは「まったくそうしない」と回答した。

オンラインのレジリエンステストのデータでは、いま現在、高いレジリエンスを持つ人は4分の1に満たないことがわかっている。現時点でレジリエンスが足りていないのなら、仕事のストレスに耐えて回復する平均的な人の能力は、今後大きく低下すると予想される。それが、最前線の従業員の寿命や老化、健康にどう影響するかについて、少なくとも関心を向ける必要があるだろう。CEOはストレスの大きいキャリアの道をみずから選んだが、その論理が大多数の従業員にもあてはまるとは言いがたい。

NBER報告書の著者であるマーク・ボーグシュルテ(Mark Borgschulte)、マリウス・グエンツェル(Marius Guenzel)、カンヤオ・リュウ(Canyao Liu)、ウルリケ・マルメンディア(Ulrike Malmendier)には感謝したい。彼らは、非常に骨の折れる革新的な調査を実施し、仕事と経営上のストレスがもたらす、まさに生死にかかわる影響を実証してくれた。この知見を活かし、今回の調査対象となったCEO以外のすべての働く人たちにおける悪影響の軽減に乗り出す責任は、私たちの肩にかかっている。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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