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Photo by Carl Court/Getty Images

経済学の世界が今年の「最も予期せぬ結果」にメダルを贈るとしたら、「金」を獲得するのは日本の森喜朗(83)かもしれない。日本経済の成長を妨げてきたこの国のジェンダー不平等の問題に、取り組みのきっかけをもたらした人として歴史に名を残すことになる可能性もあるからだ。

日本ではこの20年間だけでも、数え切れないほどの性差別的な暴言が吐かれてきた。その中には、首相在任中(2000~01年)の森の発言も含まれている。

国際オリンピック委員会(IOC)の関係者には、女性を蔑視する発言で東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長を辞任した森について、スポンサー企業やジェンダー平等を推進する団体、著名な女性アスリートたちから数々の苦情が寄せられた。

また、日本では若いY世代(ミレニアル世代)とZ世代が中心となり、森の辞任を求めるオンライン署名活動を行った。また、国会議員や企業トップらは、国連の女子差別撤廃条約の選択議定書の批准を政府に強く求めている。

家父長制によって女性たちが抑え込まれ、それが巨額の経済損失につながってきた日本で、この問題にかつてないほどの注目が集まっている。

女性の活用と経済


ゴールドマン・サックスなどの推計では、約5兆ドル(約540兆円)の日本の国内総生産(GDP)は、 女性の能力をより有効に活用することで15%押し上げられるとされている。また、最も活気があり、革新的で、さらに安定している国と企業はすべて、結局のところ「ウーマノミクス」を推進しているとの結果を示す調査結果も多い。

だが、日本ではこの問題は、ほとんど大きく取り上げられずにきた。安倍晋三前首相は確かに、女性が「輝く」公平な競争の場つくるという「素晴らしい計画」について語ったが、その安倍が首相だった2012~20年の間に、日本は世界経済フォーラムが毎年発表する「世界ジェンダー・ギャップ指数」のランキングで20ランク順位を下げ、121位となった。

こうした状況について、森、安倍、そして現職の総理大臣である菅義偉が所属する自由民主党が負う責任は、特別に大きい。男性優位の同党は1955年以来、2度の選挙で下野したわずかな期間を除き、一貫して日本を率いてきた政党だ。

編集=木内涼子

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