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Photo by Jamie McDonald/Getty Images

ロシア南部で昨年12月、高病原性の鳥インフルエンザウイルス「H5N8型」のトリからヒトへの感染が世界で初めて確認された。養鶏場の従業員7人が感染したが、いずれも軽症で、すでに全員が回復しているという。

タス通信は2月20日、「ロシア国立ウイルス学・生物工学研究センターの研究者らが、鳥インフルエンザの感染が拡大していた養鶏場の従業員からH5N8型の遺伝物質を検出した」とするロシア消費者権利保護・福祉監督庁のアンナ・ポポワ長官の発表内容を伝えた。

同長官は同日、ヒトへの感染について、「調査結果に確信が持てたのは数日前であり、速やかに世界保健機関(WHO)に報告した」と説明したという。ただ、この感染が12月のいつ起きたのか、当局は問題をいつ把握したのかなど、詳細は公表されていない。

つまり、この件に関して具体的に誰がいつ、どこでどのように何を知ったのか、そうしたことは明らかになっていない。欧州各国では昨年10~11月、鳥インフルエンザH5N8型の感染が急速に拡大していた。

「トリ‐ヒト感染」発生の意味


ヒトが鳥インフルエンザに感染したというのは、もちろん朗報ではない。通常は他の動物に感染するウイルスにヒトが初めて感染すれば、大きな問題が起きる可能性がある。私たちの免疫系はそのウイルスに不慣れであるために準備ができておらず、防御する機能を十分に発揮できない恐れがある。

さらに悪いことに、免疫系は慣れていない脅威に対し、過剰反応することがある。これは現在、新型コロナウイルスに対して起きていることだ。そしてまた、2009年に豚インフルエンザ「H1N1型」がブタからヒトに感染したときにも、同様のことが起きた。現在ほど深刻な状況には至らなかったが、このときにもパンデミックは発生していた。

ただ、動物からヒトへの感染が確認されたからといって、必ずしもパニックに陥る必要はない。幸いこれまでのところ、H5N8型の「ヒト‐ヒト」感染が確認されているわけではない。

編集=木内涼子

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