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Photo by Noam Galai/Getty Images

世界最大の映画館チェーンであるAMCは12月11日、外部の投資企業から1億ドルの投資を受け入れると発表した。しかし、同社が2021年を乗り切るためにはもっと多くの資金が必要になりそうだ。

1000館以上の劇場を運営する世界最大の映画館チェーンAMCは11日に当局に提出した書類で、ニューヨーク本拠のMudrick Capital Managementとデットファイナンス契約を締結したことを明らかにした。

この契約の一部として、MudrickはAMCの既存の負債のうち1億ドル(約104億円)をAMCの株式約1370万株(約5700万ドル)に転換する。Mudrickはさらに、AMCに追加のキャッシュを貸し出すことへのコミットメント・フィーとして、820万株(約3400万ドル)を受け取ることになる。

AMCはまた、さらに多くの現金が調達できない場合、来月には手元のキャッシュが枯渇すると警告している。同社は、2021年を通じて企業を存続させるためには、少なくとも7億5000万ドルの資金を調達し、家賃や利子の支払いに充てていく必要があると発表した。

提出書類によるとAMCは、今年10月から11月にかけて毎月1億2500万ドルのペースで損失を出していた。AMCの株価は年初から約45%の下落となっている。

今年第4四半期の米国のAMCの劇場の来場者数は、前年同期比で92%の減少となっている。

11月30日時点で、AMCは米国内の映画館594館のうち404館を営業しているが、座席数や営業時間は限られている。海外では、約400の海外映画館のうち108館を運営しているに過ぎない。

AMCは11日の声明で、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加や、大型タイトルの上映の延期、さらには映画会社が劇場ではなくストリーミングで新作映画を上映することが、同社の業績にダメージを与える見通しだと述べた。

ワーナー・ブラザースは2021年の全ての新作映画を、米国での公開と同時にストリーミングのHBO Maxで同時公開すると宣言したが、この動きが他の映画会社に波及することをAMCは危惧している。

AMCとリーガルは8月に米国での営業を再開したが、ニューヨークなどの州では閉鎖が続いているため、映画館業界は資金繰りに追われている。「AMCの100年の歴史の中で最も厳しい四半期となった」と、AMCのアダム・アロンCEOは8月の声明で述べていた。

AMCは、今後の営業の継続を可能にするためには、2つのシナリオが想定できると述べた。その1つは、観客動員数の大幅な増加だが、これは短期的には考えにくい。また、もう一つのシナリオは外部からの借り入れや、株式による資金調達だが、その場合でも必要な額の調達に支障をきたす「重大なリスク」があると同社は述べている。

編集=上田裕資

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