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サウジアラビアの「二重ループリサイクル」


シェルとAMGの合弁会社の50%を所有するAMG NVで、会長とCEOを兼任するハインツ・シンメルスブッシュ(Heinz Schimmelsbusch)は、「二重ループの循環経済として見ることができる」と指摘する。つまり、石油精製触媒のリサイクルは、2段階のグリーン化プロセスの前半でしかないのだ。「コンセプトは、石油精製施設の廃棄物をバナジウム生産の国内資源に変え、インフラ建設用の鋼鉄の品質向上に不可欠な合金化剤として利用することだ」

これだけでも相当インパクトがあるが、さらにこの計画は、サウジアラビアで推進されているもうひとつのバナジウム関連グリーン・イニシアチブと連動している。

グリーンな未来は太陽光にあり


サウジアラビアは、風力発電や太陽光発電に大規模投資をおこなっているが、こうしたエネルギーには本質的な問題がある。太陽が出ていない時や、風が吹いていない時には利用できないのだ。

エネルギーは、電池に蓄えておけば利用可能だ。ここで、バナジウムや、シェルとAMGの合弁企業、二重ループのリサイクル経済が再び関わってくる。

バンカー重油などの重油をガス化すると、副産物として、酸化バナジウムを含む灰が生じる。このプロセス自体が重油の燃焼よりもクリーンだが、この話にはまだ続きがある。

シェルとAMGの合弁企業は、酸化バナジウム抽出の実現可能性を検討している。実現すれば、抽出された素材が酸化バナジウム蓄電池の材料として利用され、太陽エネルギーの利用を促す可能性が高い。日照時間の長いサウジアラビアにとっては朗報だ。こうしたイニシアチブの下で、同国のグリーン化が一層進む可能性があるのだ。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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