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イタリア発「サステナブルな衣食住遊イノベーション」


メディアにも取り上げられるようになると、近所のおばちゃんから「この食材余ってるから使ってくれないか」というような持ち込みがあったり、「シェフのおかげでこの黒崎町が元気になった、ありがとう」という言葉をかけられたりするようになったという。

近所の人はもちろん顧客としてもやって来る。コロナ禍において近所の人が通ってくれるお店は観光客メインの店より圧倒的に強い。近所の人がひっきりなしに関わりに来る、これがfunachefが成功しているローカルな循環だ。

funachef 船岡シェフ
funachefの船岡シェフ(中心)

「貧困をなくして世界中の人を幸せにしたい」。世界を回って様々な国の課題を肌で感じた、船岡シェフが最終的に実現したい夢だという。そのために「まず大切なのは隣近所の人たちを幸せにすることだ」という彼の言葉に、循環レストランの本質的なあるべき姿を感じる。

ところで、ミシュランの基準は「わざわざ訪ねる価値のあるお店」だ。しかしこれからの時代に求められるグリーンスターレストランは、世界中から人が集まること以上に、地域コミュニティの小さなサーキュラーにしっかり組み込まれることが大切になると思う。レストランが、食文化や農業の価値を発信し、教育・福祉・環境や文化などあらゆる活動の起点として機能しているかが評価されていくだろう。

そういった意味で、この大阪のfunachefは、ミシュランにこそ選出されていないが、小さな新しい店ながら、先進的な「グリーンレストラン」に引けをとらないのではないだろうか。

「グリーンスター」のあるべき姿


ミシュランガイドの「グリーンスター」は、10月に発表された京都・大阪で、アジアで初めて導入され、今回の東京では6件の店が加わった。今回選ばれた東京の店はいずれも納得の顔ぶれで、星付きの有名店の中でもイノベーティブで、国際的な目線で活躍するシェフが牽引する店ばかりだ。

しかしイタリアでは、無名の星のつかない2店舗がこのグリーンスターを獲ったことが話題になった。このことは、「星を取る」という高みを目指す以外に「地球を良くする」という新たなレストランの社会的役割に向かって、今までになかった成長を目指すレストランが増えていくことを予感させる。

文=齋藤由佳子 写真=funachef提供

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