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アート、カルチャーから学ぶコピーライト


完全に個人的な見解ですが、仮に作品Aが作品Bに依拠していたとしても、これらの違いからすると、きわどいけれども著作権侵害にはならないかな、という印象です。

このケースでは、主催者は調査をしましたが、Andriesiさんから提出されたドキュメントによって作品Bからの盗作ではないことが裏付けられたとして、結果的に作品Aのショートリストへの掲載は維持されています。

なお、写真のインスピレーションを得た資料として提出されたドキュメントは公開されていませんが、映画のワンシーンのようです(※8)。

最後に強調しておきたいのは、著作権侵害になるかどうかと、作品としての評価は全く別ということです。著作権侵害にならないけれども、他人の作品の特徴的なアイデアを模倣した作品について作品として優れていない、問題があるという評価がされることもあります。

「似ている」と「侵害」に距離があるように、「侵害にならない」と「作品として何も問題ない」にもまた距離があるのです。

(※本稿は、ART LAW WORLD 2018年3月7日掲載の「写真著作権−『似ている』と『侵害』の距離」を加筆、修正の上、掲載したものです)

※1 林ナツミ『本日の浮遊』(青幻舎、2012)

※2 Oliver Smith, How an incredible coincidence sparked a Facebook plagiarism row, the Telegraph, February 2, 2015

※3 知財高判平成23年5月10日判タ1372号222頁〔廃墟写真事件控訴審〕

※4 Sahuc v. Tucker, 300 F. Supp. 2d 461 (E.D. La. 2004).

※5 東京地判平成11年12月15日判時1699号145頁〔西瓜写真事件第一審〕

※6 東京高判平成12年6月21日判時1765号96頁〔西瓜写真事件控訴審〕

※7 Brian Boucher, This Dreamy Image Is Sparking a Perplexing Fight Over Artistic Plagiarism, artnet news, April 5, 2017.
※8 Michael Zhang, Plagiarism or Coincidence? A Curious Case in the Sony World Photo Awards, Petapixel, April 1, 2017.

文=木村 剛大

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