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インドは「ピークオイル」に近づいている。といっても、2002年のイラク戦争直前に取り沙汰された産油量のピークのことではない。発電における化石燃料への依存度を徐々に下げている先進国のあとを追うように、インドの石油需要が今後頭打ちになり、やがて減少していくとみられるのだ。

ロンドンに本社を置くBPは、年次エネルギー展望のなかで、インドの原油需要がパンデミック以前のレベルに回帰することはないかもしれないと指摘した。

BPが想定した2つのシナリオ「急速(Rapid)」と「ネットゼロ(Net Zero)」において、インドの石油需要は、2018年の500万バレル/日から、2025年には600万バレル/日にまで増加するが、その後は停滞すると予測されている。

そこから2050年までに、インドの石油需要は少なくとも500万バレル/日に減少。さらに、インドが脱化石燃料政策を確実に実施して、自動車燃料や発電所ベースロードとしての石油や天然ガスの代替が進めば、200万バレル/日にまで減少する見込みだ。

一方、インドが先進国のようなクリーンエネルギー推進政策をとらない場合は、2050年には需要は1000万バレル/日に達する。

いずれにせよ、インドは今後も、米国と中国に次ぐ世界第3位の石油消費国にとどまる。この3か国は、2018年のエネルギー需要の増分の約7割を占めた。

インドは2020年5月、経済成長の新たな「主要セクター」の成長を促す政策を発表した。そのなかには、現在は中国の独壇場であるリチウムイオン電池や太陽光発電パネルの製造業を支援するインセンティブも含まれている。

化石燃料に依存するインド経済が今後はグリーン化するというBPの予測は、従来型エネルギー企業が現在、市場で苦境に陥っている理由のひとつだ。パンデミックによる石油需要の低迷や供給過剰も業界への打撃となったが、暴落株であれば何にでも投資するのが常のウォール街において、エネルギー株は一様に遅れをとっている。

世界の石油消費量は、2018年の9700万バレル/日から、「急速」と「ネットゼロ」いずれのシナリオでも、2025年までに9400万バレル/日に減少すると予測されている。2050年には、「急速」シナリオで4700万バレル/日、「ネットゼロ」シナリオで2400万バレル/日の需要が予測されている。「現状維持(Business-as-Usual)」のシナリオであっても、2025年に9800万バレル/日まで増加したあとは減少に転じ、2050年には8900万バレル/日となる見込みだ。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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