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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介


ユンはBTSが13年に公式デビューする前からソーシャルメディア戦略を仕掛けている。ツイッターやユーチューブを通じて、7人の生活を公開。すると、スタジオでのリハーサル風景や誕生日を祝う姿、練習や食事の様子など、ふだんの生活が垣間見える動画は何億回も再生されたのだ。

13年に撮影したBTS結成初期の動画には、リーダーのRMが深夜のスタジオでカメラに向かって「正直言って疲れたよ。お腹も空いたし、眠い。もう家に帰りたい」と呟く姿が映っている。こうした動画を通してファンはBTSに対して親近感を覚えるようになったのだ。

「K-POPのファンは重層的です。単に音楽や歌詞が好きな訳ではありません。アーティストとデートをしている感覚です」

そう話すユンは、BTSの成功がこれからもきっと長く続くと信じている。

「アーティストが年齢のせいで市場価値をなくすことはないと思いますよ。U2はもう若くはありませんが、価値を失ってなどいませんよね? BTSが30代に入ったら、年齢相応のメッセージを送ったり、インスピレーションを与えたりできるはずです。50代になっても、その先も」

ビジネスモデルの中心は「ファン」


新しい収益の柱を見つけるべく、ビッグ・ヒットはテクノロジー部門を設立した。そして昨年の6月には、全世界のファン向けにアプリ「Weverse(ウィーバース)」をローンチ。すでに700万人が利用しており、公式グッズやコンサートのチケット、長編動画などを販売している。コミュニティセクションでは、BTSとファンが直にコミュニケーションを取ることも可能だ。ユンは、「ファンとのコミュニケーションの機会を最大化するために開発した」と明かす。

ビッグ・ヒット成功の要因は、ファンをビジネスモデルの中心に据えたことだとユンは話す。

K-POP首位も射程圏内


後発ながら、大手芸能プロダクション入りを果たしたビッグ・ヒット・エンターテインメント。創業者兼共同CEOのパン・シヒョクは、古巣のJYPエンターテインメントを凌ぐ規模の会社へと成長させた。パンデミック前はIPO(新規株式公開)も噂されたが、現在は暗礁に乗り上げている。(Source:South Korea’s Financial Supervisory Service)

「もちろん良い曲は大切です。でもファンにとって大事なのは、応援するアーティストとコミュニケーションが取れること。ファンは私たちにとってすべてです。とにかくそれを強調したいですね。いつも自問していますよ。『どうすれば、自分たちをもっとよくできるか』とね」

Big Hit Entertainment ビッグ・ヒット・エンターテインメント◎2005年に創業した韓国の芸能プロダクション。作曲家のパン・シヒョクが、音楽エージェンシー大手「JYPエンターテインメント」から独立して立ち上げた。10年には現在、共同CEOを務めるユン・ソクジュンが加わった。2013年にデビューした「防弾少年団(BTS)」を世界的な人気グループに導いている。

文=グレース・チュン 写真=ジョン・ミン・キュ / フォーブス コリア 翻訳=フォーブス ジャパン編集部

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