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Asia

Getty Images

ここ数年、日本の上場企業の間で高まったアクティビスト(物言う投資家)対策の波に乗って事業を拡大したのが、東京に本拠を置くコンサルティング企業の「アイ・アールジャパン」だ。

上場企業のIR・SR(投資家・株主関連)活動を支援する同社の株価は急上昇を遂げ、CEOの寺下史郎をビリオネアの地位に押し上げた。

アイ・アールジャパンの株価はここ1年で247%の急騰となり、現在61歳の寺下の保有資産は10億ドル(約1060億円)に達している。フォーブスは寺下にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

同社は、株主総会における委任状争奪戦に関する高度な専門的知識を持ち、物言う投資家対策について経営陣に助言を行っている。投資家たちは、今後もアイ・アールジャパンの成長が続くと見込んでいる。

アイ・アールジャパンの2020年3月期の売上は前期比59%増の77億円で、純利益は前期比150%増の24億円に達していた。

同社によると、アクティビストらは新型コロナウイルスのパンデミックの中においても、活動を緩めておらず、株主総会において提出される議案の数は今年も最高記録を更新したという。

日本の安倍政権は、2014年に機関投資家の行動規範を示すスチュワードシップ・コードを導入し、投資家が企業にプレッシャーを与え、収益性や資本の流動性を高める流れを促進した。そして、その翌年にはコーポレート・ガバナンス・コードを定め、企業の行動規範を設定した。

「これらの施策により投資家の権利が強化されたことによって、日本は米国に次ぐアクティビスト市場に成長した」とアイ・アールジャパンは述べている。

1984年設立のアイ・アールジャパンは、上場企業の株主総会に向けた準備を手助けする事業を開始し、プレゼン資料の英訳などの業務も手掛けていた。寺下は1997年に同社に参加し、2008年にMBOによってアイ・アールジャパンの経営権を獲得した。

フォーブス・アジアは先月、アジア太平洋地域の売上10億ドル以下の有力企業200社を紹介する「Best Under A Billion」リストを公開したが、アイ・アールジャパンはその1社に選ばれていた。

日本のビリオネアの大半をテクノロジー領域のメンバーが占める中で、寺下は異色の存在と言える。これまで一貫してIR業界に身を置いてきた彼は、1982年に青山学院大学の経営学部を卒業後、IR関連の企業でキャリアをスタートさせていた。

編集=上田裕資

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