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企業は全従業員を遠隔勤務にするリスクも考慮するはずで、会社への悪影響や従業員の生産性を懸念するだろう。人事部にとっては、新入社員の採用や入社プロセス、トレーニングが難しくなる。チームで取り組むプロジェクトは、全員が一堂に会せないことから時間がかかるようになるかもしれない。また、同僚とのランチや退社後の一杯ができなくなることで、企業文化の喪失や連帯感の低下が生じる可能性があり、会社への愛着やつながりも消える。

優秀な若手人材は、オフィス勤務が必要とされる会社のみを選ぶようになるかもしれない。ジェネレーションZ世代や若いミレニアル世代は、周囲に人がいる環境を重視する。こうした世代は同僚との交流を望んでいて、メンターを必要とし、何か重要なものの一部となりたいと感じている。素晴らしい企業に採用されたのに、小さなアパートや実家で毎日コンピューターの前に座る生活を続けるのであれば、落胆してしまうだろう。

新型ウイルスの流行で離婚が急増したとの話もある。FOXニュースが伝えたある調査結果では、ロックダウン(都市封鎖)により関係性に修復不能な亀裂が生じたと認めたカップルは31%だった。家に閉じ込められることでストレスと緊張は高まる。キャリアと幼い子どもの世話を両立しなければならないカップルの場合はさらに厳しいだろう。

アマゾンとフェイスブックの動きは、遠隔勤務が万人向けではないことを示しているのかもしれない。従来型のオフィス勤務を続ける人がいる一方で、遠隔勤務をする人もいるというハイブリッド型の手法が出てくるのも納得できる。また、従業員が両方を組み合わせた働き方を選ぶこともあり得る。

グーグルの計画は素晴らしいアイデアに思える。労働者はより安価な住宅に住めて、職場からすぐの心地良い環境で暮らせる。

しかしこれは人々にどのような影響を与えるだろうか? グーグルの社員が会社に過度に依存するようにならないだろうか? 仕事と私生活が重なり合うことで、集団思考が生じやすくなるし、役職や報酬に基づいたカースト制度が形成されるかもしれない。従業員が異なるアイデアに心を閉ざすようになる可能性もある。

多くのテック系企業は多様性に欠けている。そのためこの計画により、見た目や学歴、あるいは報酬が異なるグーグル従業員はさらに孤立するかもしれない。同社の社員らは私たちがネット上で検索し、読んだり学んだりするものをコントロールしているため、これは私たち全員にとって深刻な影響を持ち得る。

編集=遠藤宗生

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