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ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン / Getty Images

金融大手のUBSは9月7日、宇宙旅行企業「ヴァージン・ギャラクティック (Virgin Galactic)」への投資判断を「買い」指標とするレポートを発表した。

同社のアナリストは、宇宙旅行やそれを取り巻く産業が2030年までに最大8000億ドル(約85兆円)規模に膨らむと予測しており、ヴァージン・ギャラクティックの株価は今後の1年で50%以上、上昇する見通しという。

ヴァージン・ギャラクティックの株価は9月8日の市場で12%以上の急騰となり、年初来では45%以上の値上がりとなっている。現状の株価は約18ドルだが、UBSは今後の目標株価を25ドルに設定した。

宇宙開発分野ではイーロン・マスクのスペースXや、ジェフ・ベゾスのブルー・オリジンらがしのぎを削っているが、リチャード・ブランソン率いるヴァージン・ギャラクティックはこの3社の中で唯一の上場企業となっている。

これまで宇宙に旅立った人類は約560人とされているが、UBSはヴァージン・ギャラクティックが、今後5年以内に一般消費者を宇宙に送り込む唯一の企業になると述べている。同社は来年にも商用の宇宙旅行を開始しようとしている。

UBSは、「強固な顧客のバックログ」と「ラグジュアリー分野への支出に関するポジティブな指標」をあげ、ヴァージン・ギャラクティックが商業運航を開始した後も、何年もの間、需要が供給をはるかに上回ると見込んでいる。

同社は、ヴァージン・ギャラクティックのチケット売上高がわずか数年で4倍に増加し、2024年までの年複利成長率が300%になると予想している。

この分野には競合企業も居るが、ヴァージン・ギャラクティックには、「高い飛行率を維持するための事業モデルに加え、強固なブランドという優位性がある」と、UBSのアナリストのマイルス・ウォルトンは述べている。

「宇宙に行くことは決して日常的な楽しみではないが、億万長者たちがこの分野に参入したことで、より現実味を帯びてきた」と彼は続けた。

ただし、UBSの見通しが楽観的すぎるという批判の声もあがっている。宇宙コンサルティング企業、Astralytical創業者のローラ・フォルチクは、「ヴァージン・ギャラクティックが2024年までに1500人の乗客を飛ばすことは難しい」と、ツイッターに書いた。「市場はまだ非常に若く、その歩みはカタツムリよりも遅い」と彼女は指摘した。

UBSは、宇宙ツーリズム市場が2030年までに年間30億ドル規模に成長すると予測しており、その間に「宇宙エコノミー」が2440億ドルから8050億ドル規模に膨らむと予測している。

ヴァージン・ギャラクティックは創業者のリチャード・ブランソンを、2021年の第1四半期に宇宙に送り込む予定だ。同社はその前に2回のテスト飛行を予定しており、10月22日にその1つが実施される。

編集=上田裕資

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