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Photo by Win McNamee/Getty Images

世論調査が正しければ、そして「自分は正しい」と言い張っている人が正しければ、2020年11月はじめに米国大統領に選出されるのはジョー・バイデンだ。もしそうなったら、トランプ政権時代を代表する最大の貿易協定のひとつである、「信じられないほど素晴らしい」米中「第1段階の合意」はどうなるのだろうか。

「合意は消滅する」という予測が当たりそうだ。

ジョー・バイデンが対中貿易問題を重視することはなく、関税はいずれ、ひとつずつ引き下げられていくだろう。バイデン政権は、対中政策を商務省と国務省に丸投げする可能性が高い。商務省と言えば、輸出管理規制の対象とする「エンティティリスト」に中国企業を加えて、対中ビジネスに制約を課している。他方の国務省は、新疆ウイグル自治区のイスラム系少数民族をめぐる人権問題について、米国のマグニツキー法(人権侵害を犯した外国の当局者に厳しい制裁を科すことを定めた法律)を、知名度の低い企業数社を交えたうえで、中国に対して発動することになるだろう。

「第1段階の合意は11月まで生き延びると思うが、消滅のリスクはやや上昇する。合意破棄を通知してから破棄が成立するまでには60日間が必要だが、大統領選挙はその期間(11月までのあいだ)に行われるからだ」。投資顧問企業マクロレンズ(Macrolens)のチーフストラテジスト、ブライアン・マッカーシー(Brian McCarthy)は、2020年8月28日付けのクライアント向けウィークエンドリポートでそう述べた。「米国が合意を破棄すれば、市場は否定的な見方をするだろう。しかしその反応は、バイデンが勝利した場合、第1段階の合意はいずれにせよ消滅したも同然という事実によって弱まる可能性がある」

中国は、米国が中国とのデカップリング(切り離し)を撤回することを期待している。そして、気候変動に取り組むことを約束してバイデンに歩み寄るだろう。

しかし、バイデンの政敵であるドナルド・トランプはまったく異なる見方をしている。

トランプは、8月22日に行われたフォックス・ニュースのインタビューで、米中経済のデカップリングの可能性は以前より高まっていることを示した。インタビューを抜粋した動画のなかでトランプは、司会者スティーブ・ヒルトン(Steve Hilton)に対し、米国にとって最大の輸入相手国である中国との決別について、こう述べている。「中国が米国に対して適切な対応をとらなければ、私は確実に(デカップリングを)実行するだろう」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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