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ハワイ・オアフ島は2度目のロックダウンに(Unsplash)

ハワイのオアフ島で、再び外出禁止令と在宅勤務令が発令された。実質的に2度目のロックダウンとなる。

ハワイでは3月下旬から5月末までロックダウンが実施され、その後経済活動が再開されても1日の感染者数は数十人程度で推移していた。しかし7月末になると、感染者が初めて3桁台を突破。その後も一時的な増加で収まらず、8月には200人台から300人台まで増加する日が続くようになった。

学校が夏休みの期間と重なり、家族や友だちが集まってBBQなどを楽しむ人が多かったことで感染が拡大したとみられ、8月8日からはオアフ島で公共のビーチと公園が閉鎖された。しかしこれだけでは感染者数は減少せず、8月20日からはオアフ島で、屋内・屋外を問わず全ての集会の禁止、レストランの利用は最大5人まで、バーとクラブはクラスターが発生したため閉鎖するなど、新たな措置が講じられた。

それからわずか1週間後、8月27日からは、外出禁止令と在宅勤務令が出たのだ。レストランはテイクアウトのみ対応が認められているが、医療機関や食料品店などの必要不可欠な事業以外は、営業は許可されていない。ただでさえ観光客の姿がほとんど消えたハワイで、また街の活気が失われる事態となったのだ。

データに見られる感染者急増の要因


7月末までは2桁台だった感染者が、なぜ急増したのか。その理由のひとつを示唆するデータが、ハワイ州保健衛生局から8月上旬、発表された。それは、感染者を人種別に集計した調査結果だ。

その内容によると、ハワイの新型コロナウイルス陽性者でもっとも多いのが、ミクロネシアなどの太平洋諸島出身者で全体の27%を占める。そして、白人(20%)、フィリピン人(18%)、ネイティブハワイアン(14%)と続く。ここで特筆したいのが、感染者の割合がもっとも高かった太平洋諸島出身者だ。ハワイ州で彼らの人口比率はわずか4%であるにもかかわらず、ハワイの感染者の3割ほどを占めており、太平洋諸島出身者の間で感染が広がっているとわかる。

サモア、フィジー、タヒチなどの太平洋諸島出身者たちは大家族で生活するケースが多く、家族との結びつきが強い。特に葬儀を行う際は、アメリカ本土や他の島々からも多数の親族が集まり、抱き合って故人との別れを惜しむという。そのような生活習慣を考えると、マスクを着用しソーシャルディスタンスを確保するのは難しいだろう。さらに彼らは、ファーストフード店や小売店で接客業に就く人が多いことも、感染拡大につながっているものと見られている。

ハワイにやってくる訪問者の存在も無視できない。ハワイ州観光局によると、7月のハワイ訪問者数は2万2562人。前年同期の訪問者数は99万5210人で、そのわずか2.3%にすぎないが、1日平均で700人強が訪れている計算になる。そして訪問者のうちもっとも数が多いのが、アメリカ本土から来る人々だ。ワイキキはほとんどの店が閉鎖されて閑散としているが、そんな中でも訪問者と思われる人々がビーチや街に繰り出す様子を見かけることがある。ハワイでは州外から訪れるすべての人に14日間の自己隔離措置を求めているが、それがどこまで忠実に守られているかは不明だ。

これらに加え、ハワイに暮らす住民たちの間でも、感染予防に対する気の緩みが生じているのかもしれない。このような要因が重なり、今回のハワイでの感染者急増につながっていったのではないだろうか。

文=佐藤まきこ

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