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スウェーデン、スンツヴァルの著者の自宅。著者の娘が父方の祖母から贈られた「こけし」がある

高校時代にスウェーデンに交換留学し、大学卒業後はスウェーデン大使館商務部勤務、その後、理想の子育てを求めて家族で移住した久山葉子氏。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし』もある同氏に、日本への一時帰国の際、何に「至福」を感じるか? について、現地在住の日本人諸氏にも取材のうえ、ご寄稿いただいた。今回は後編(前編:1〜6はこちら)。


7. 風呂


日本に住んでいる方も、海外旅行から帰ってきて入るお風呂は至福だろうと思う。わたしも帰省のたびに木の香りの漂うお風呂を楽しみにしている。いや、トイレの便座が目に入るホテルの小さなお風呂でも充分幸せだし、温泉の露天風呂など夢に見るほどだ。スウェーデンでも家にバスタブがあることは多いが、日本のような追い炊き機能はないので、すぐに冷めてしまう。


スウェーデン、すぐに冷めてしまうお風呂(写真提供:久山氏)

家にお金をかけている人は4人くらい入れるジャグジー風呂を設置していることもあるが、毎日それに入るわけではない。週末にのんびりするときに使うくらいで、普段はシャワーのみ(それも朝)というのが一般的だ。

その代わりといってはなんだが、家にサウナがある。60~70年代に建てられた家には珍しいことではない。なのに一度も使ったことがない……。これはわたしが日本人だからというわけではなく、スウェーデン人もフィンランド系の人以外は家ではあまりサウナに入らないようだ。たいていは「第二の物置」になっている。

8. 安くて便利な公共交通機関


日本の公共交通機関の便利さ、正確さ、安さに感激する外国人は多い。もちろん清潔でもある。スウェーデンの首都ストックホルムには地下鉄とバスが縦横に走っていて、便利なことは便利だが、初乗りが37kr(約450円)もする(75分間有効)。地元の人は1カ月カードを購入するようだが、地方在住のわたしは毎回この初乗り券をアプリで買うたびにその高額さに愕然とする。

一方わたしの住む町はどうかといえば、人口が少ないので仕方がないが、とにかく本数が少ないし、最終便の時間も早い。わが家の最寄りバス停は1時間に一本、最終は17時半だ。そのため、どうしても車移動が多くなってしまう。環境のためにももっと交通機関を利用したいと思うのだが、人口の少ない田舎になればなるほど、公共交通機関の採算を合わせるのは難しい問題だ。

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日本、東京の電車。写真は山手線。(Getty Images)

文・写真提供=久山葉子 編集=石井節子

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