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Buddhika Weerasinghe / 寄稿者 / Getty Images

お盆の帰省に合わせ、お墓参り──そんな夏の恒例行事も、今年は実現が難しくなっている。

新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に伴い、今年はお盆休みの帰省を踏みとどまった人も多いのではないだろうか。夏の帰省を諦めるのは仕方ないにしろ、故郷にあるお墓の手入れはどうすればいいのか。そんな悩みを、ふるさと納税を活用して解決する動きがある。寄付金の返礼として、「墓参り代行」を行うサービスだ。

寄付者は地元の自治体に寄付をすることで、返礼として地域の人に墓の清掃や献花、線香あげなどを「代行」してもらえる。お墓参り完了後には作業前後の写真が送られるため、直接足を運ばなくても安心してお墓を守ることができる。

新型コロナによる帰省自粛に限らず、高齢や体調不良などさまざまな理由でお墓参りができない人も利用可能だ。普段都会に住んでいて、墓守に負担を感じている人の活路にもなるだろう。

前年比の1.4倍 お墓参りで故郷を応援


このような取り組みは全国各地に広がっている。国内最大級のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクによると、今年の「墓参り代行」の返礼の登録累計数は前年より1.4倍に増加。石材会社が代行するものやペットの墓も対象とするものなど、内容も自治体によってさまざまだ。

代行を依頼するのに必要な寄付金の額も1回のお墓参りにつき約1万円から約5万円まで幅があり、額に応じてサービス内容が異なる自治体もある。福島県福島市は「困りごと解決型返礼品」の第1段として、2万円から金額に応じてお墓参りの内容や回数が変わる6種類の代行コースを用意している。

類似したサービスを運営する民間事業者も存在するが、ふるさと納税を活用することで、生まれ育った自治体に地域貢献をすることができる。過度な返礼品競争が問題視されるふるさと納税の「故郷を応援する」という本来の趣旨に立ち返ったサービスといえるだろう。

また、地域の高齢者らにお墓の清掃を委託することで、雇用創出につながるという利点もある。大阪府枚方市のようにシルバー人材センターが主体となり代行サービスを行う自治体も多い。

お墓参り代行サービスに加え、離れて暮らす家族の様子を代わりに確認してもらう「見守り代行」への寄付も増えている。トラストバンクの調査によると、寄付金額は前年から約2倍に増加。サービス内容は、荷物の宅配時に生活状況を確認するものから、家事や電球交換等を手伝うものまで多岐に渡る。リモート帰省では難しい実家の手助けを代行できるのは心強い。

例年とは一味違う特別な夏。リモート帰省と併用して、ニューノーマルな里帰りを検討したい。

文=大竹初奈

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