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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

Photo by kate.sade on Unsplash

新型コロナウイルスの流行に伴う巣ごもり生活が明け、3カ月以上ぶりにオフィスへ出社すると、まるで過去の時代の廃墟を訪れているように感じる人も多いだろう。在宅勤務が今後も主流となることは間違いない。

パーティション、人との距離を確保するためのカラーテープ、アルコール消毒液のボトルなどにどれだけ費用をかけようとも、多くの人は今後、毎日出社する生活に戻ることはなく、オフィス以外の場所で大半の仕事をこなすようになる。もちろん、すべての人に当てはまるわけではない。特定の機械を使ったり、特定の場所へ出向く必要があったりする人もいるが、そのような人は少数派だということが多くの調査結果から示されている。

マサチューセッツ工科大学(MIT)やスタンフォード大学の調査によると、リモートワークのトレンドは既に定着したのみならず、リモートワークをベースとして生産性の向上、さらにはイノベーションや創造性の向上を実現する新たな経済が生まれつつある。

今何が起きているかは、ニュースを読めば一目瞭然だ。けん引役となっているテクノロジー企業は、オフィス賃貸契約の更新打ち切りを決め、本部の数を減らしてその場所を社員が交流したり、時おり会議を開いたりする場所として作り変えている。また、富士通のようにテレワーク勤務を基本とする方針を打ち出した企業や、そうした環境に従業員が順応できるかを試している企業もある。

従業員に自宅で仕事をさせるという単純なやり方はもはや時代遅れであり、今や「ハイブリッドワーク」や「流動ワーク」と呼ばれる働き方の時代に入っている。将来的には、誰もが自分の好きな場所で働けるようになるだろう。一方で、オフィスにはこれまでと違うさまざまな理由で出社することになり、オフィスの形態や設備は大きく様変わりするだろう。

また、リモートワークとは次から次へと終わりなく続く退屈なビデオ会議に参加することではない。Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのツールは単に、今の仕事のやり方で最も馴染みのある部分を別の手段で行おうとしているに過ぎない。

オランダやフィンランドなどの国は、新型ウイルスが流行するかなり前からリモートワークに取り組んできた。時が経つにつれ私たちもこれらの国々に学び、非同時性コミュニケーションと同時性コミュニケーションとの間には大きな違いがあることを認識するだろう。後者が人から自由を奪うのに対し、前者は人々を解放する。ドキュメントを共有でき、同時性の会議を廃止してより効率的で生産性の高いアプローチへと変えてくれるスラックのようなツールを採用する企業は急増している。

多くの人が、働き方を考え直し始め、何も生まない時間や交通渋滞を生み出す通勤をやめるのみならず、産業革命から何世紀にもわたり続く心理的な習慣の多くを捨てるようになっている。私たちはこれまで、職場や監視、マイクロマネジメントに頼り、柔軟性のない固定の勤務時間を神からの命令であるかのように守ってきた。しかし私たちは今では、より良く、効率的で、満足できるやり方があることを学んだ。

オフィスのあり方を早期に見直せば、それだけ早くオフィスや駐車場の賃貸料を削減できるだけでなく、従業員の働き方改善にもつながり、未来の働き方を生み出す革命の一部となれる。

リモートワークはかなり前から完全に実現可能だったのみならず、私たちがこれから進むべき道だ。新型ウイルスはリモートワークへの移行を加速させたに過ぎない。

編集=遠藤宗生

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