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#供述弱者を知る


恩師からの手紙は、和歌山刑務所で孤独な日々を送る西山さんに大きな希望になった。両親への手紙で、伊藤さんからの手紙への感謝をこんなふうに伝えている。

「この前の手紙で自殺してしまいたいと書いてしまったこと、あとから後悔しました。伊藤先生の手紙に『美香がさみしいと思ったらその数百倍も両親はさみしい、美香がくやしくてイライラした時はその分両親は数千倍くやしくてイライラしておられることを忘れないように!』と書いてありました。それをよんで号泣しました。うれしかった。私の家族のこと思ってくれてやる(=いる)から…」 (2013年7月8日)

繰り返し試みた面会 直前で「やっぱりダメ」


面会も繰り返し試みた。刑務所側は、事前の予約などの対応は一切しないため、無駄足になる可能性もあったが「とにかく行ってみよう」と車を走らせた。

1回目は、支える会の結成から1年近くが経った2014年2月。滋賀県を車で出発した一行は高速で一路、和歌山を目指したが、大雪のため、高速を降りて下道を走り続け、和歌山県境まで来たところで時間的にも難しくなって断念し、引き返した。

2回目は翌2015年3月。3時間かかる道中を無事、和歌山刑務所にたどり着くことができた。入り口で、面会の許可が下り、金属探知機での持ち物検査も通過したが、面会目前で不許可になった。

吉原さんが無念そうに振り返る。

「おそらくそのドアを開けたら面会できるという状況だったと思うが、直前で突然、やっぱりだめです、となった」

恩師なのに、なぜ認められないのか。理由を聞くと、弁護人、家族以外では相応の日常的な交流があることを証明しないと許可できない、という説明だった。

それでもあきらめず、その年の11月、3回目となる和歌山行きを敢行した。しかし、今度は刑務所の入り口で不許可。前回の失敗の後、井戸弁護士に「また拒否されるようなことがあれば、その場で電話をください」と言われていたため、すぐに連絡。井戸さんが電話で和歌山刑務所に抗議したが、かなわなかった。

文=秦融

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